たらふくつるてん


 塗師の武平は、腕はそこそこで稼ぎはいまいち。酒も弱いし人付き合いも得意じゃないという、そこそこな職人だった。
ある日、出来上がった品を届けに行った先で酒を供され、飲みつぶれて朝目が覚めると、そこには女が殺されていた。
肝をつぶして逃げ帰った武平は、なんとか江戸へ逃げ出し、そこで出会った絵師の石川流宣と共に、噺家をするようになる。

 「江戸落語の始祖」といわれた鹿野武左衛門の人生。
武平と、武平を追うかたき討ちの兄弟の二つの流れがあり、それが交わるまでは流れが分かりにくくつまらない。
やがて噺家として稼げるようになった武平たちがお上に目を付けられないよう身を縮こませるころになってやっと話が乗ってくる。
胡散臭いと思っていた流宣のことが知れる頃にはもう終わりになっていた。

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