2010年12月27日 読了
一つの家族の、それぞれの世代が持つ、それぞれの悩み。
それらは長く心にあり、おいそれとは解決しない。
一人ひとりの視点から、一家族を何十年も眺めていった物語。
淡々と流れる時間が、重い事実を少しずつろ過していく。
おそらくそれほど不思議ではない家族の様子が描かれている。
近頃はこんな感じの、じわりと暗い時間が一筋流れる小説が増えたような気がする。
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読書と編み物の記録
2010年本文作成
2010年12月27日 読了
一つの家族の、それぞれの世代が持つ、それぞれの悩み。
それらは長く心にあり、おいそれとは解決しない。
一人ひとりの視点から、一家族を何十年も眺めていった物語。
淡々と流れる時間が、重い事実を少しずつろ過していく。
おそらくそれほど不思議ではない家族の様子が描かれている。
近頃はこんな感じの、じわりと暗い時間が一筋流れる小説が増えたような気がする。
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2010年12月26日 読了
かつて地上げ屋を殺してしまったという過去を持つ珈琲屋の店主が、ひっそりと穏やかに淹れる「熱々のコーヒー」。
その店に集まってくる商店街の人々が、コーヒーを飲みながら語る。
暗くて重いけど、苦しくない。
熱々で特別な一杯のコーヒーがほしくなり、何もかもすべて打ち明けてしまいたくなる。
コーヒーと、最後に出てきた映画とが、個人的な思い出と重なってしばらくほっこりできたので、特別に五つ★。
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2010年12月23日 読了
「最後の封印」の続編。
傭兵のシド・アキヤマは得体のしれない依頼を受けた。
『死んだはずの4人の傭兵を殺せ』
最強の兵士とうたわれるシド・アキヤマは、かつて敵として戦った者たちと共に4人を追う。
設定や背景に浅さがあるのは初期作品だからか。
いまいちのめり込めない話だが、格闘技好きな作者らしい作品。
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2010年12月20日 読了
離れた場所で起こった3件の殺人事件。それをつなげるキーワードは「モモタロウ」と「五芒星」。
桃太郎に関係する事件に、岡山県警からSTへ捜査依頼が来た。
相変わらずの面々。でもこのところ、5人のメンバーがいるにもかかわらず、青山しか活躍していない。
前作よりはまとまっているけれど、ウンチクが飽きさせる。
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2010年12月19日 読了
STシリーズ。沖縄出張編。
伊豆大島と奄美大島でダイビング中の死亡事故が発生した。
どちらも源為朝伝承の残る土地だったため、ワイドショーがはやし立てた。
伝記好きの作者。近頃は伝記をネタにした作品が多い。
しかしこれはSTの個性がほとんど生きてなかった。
伝記に興味が沸くような描かれ方になってないし、ST5人のうち印象に乗ったのは青山と翠だけ。他のメンバーはほぼ出番もない。
コメントも浮かんでこない。
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2010年12月18日 読了
なかなか次の派遣先が決まらない怜奈。
アパートの更新料が払えないかもしれないくらいお金がなくなった。ある日、同級生の姉に誘われキャバ嬢になることにした。
根暗でネガティブ思考、目立たなくて自分を好きになれない怜奈が、つなぎのはずだったキャバクラの仕事に次第に誇りを持っていく。
思考の流れに多少違和感を持つところもあるが、素直に生きているという様子がよくわかる。
それでも店長に対する気持ちを描いた部分は全体を台無しにしていた。
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2010年12月17日 読了
エイズウイルスから枝分かれして進化したHIV-4ウイルス。
そのHIV-4感染第二世代はミュウと呼ばれ、異様に細い手足と突き出た額を持ち、その額には例外なくコブのような突起があった。
ミュウを見つけ出して抹殺するミュウ・ハンター。ミュウを保護するデビル特捜、国連、ジャーナリスト。
だが、ミュウとは一体どんな生き物なのかは誰も知らなかった。
人間は進化して違う種になっていくのか。あっけなくて軽すぎる話だった。
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2010年12月13日 読了
異形コレクションの短編を集めた本。
作者にしては珍しい現代女性を描いている。
真夏の夜にうすら寒い光を見つけてしまったようなストーリーが続き、その辺りは得意の異世界の雰囲気が出ていた。
時々TVで「世にも奇妙な物語」を見ていると、小説で読んだ話が出てくるときがあるが、これもそれにピッタリだ。
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2010年12月12日 読了
成田空港所で働く大航ツーリストの遠藤は、後輩の指導をしていた。
なかなか育たない後輩や、厄介事を持ち込む客、そして同僚からの批評に向かってひたすら走る遠藤。
前作に続いてただ空港の中だけで起こる人間模様。
慣れてきたせいか少し物足りない気もするが、昔「空港で働きたい」と言っていた知り合いを思い出した。
今頃どうしているだろうか。。。
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2010年12月11日 読了
女が求めるモノ。恋愛・性的ファンタジー。
密やかゆえに強烈に求める12人の女たちは、少しの揺らぎで崩れもするし、満たされもする。
体は満たされても淋しいまま、どろりと横たわる言葉にできない何かが引きずり出されてくる感覚。
短編でさらりと終わるため、女たちの力はまだ残されていると感じる。
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