フランスが革命に入ろうとしている時、近隣の小国で起こった出来事。
ある日家を抜け出した小貴族の次男は、領地の堺である少年に出会う。
彼は三つ子で、仲良くなった4人は友情を深めていくが、大人になり三つ子の父であり彼らを捨てたという吟遊詩人と面会の機会が訪れる。
しかし面会直前に吟遊詩人が射殺され、目撃証言から犯人は三つ子の誰かだということになった。
鑑定の技術がない時代、推理だけで犯人を追い詰める。
主人公の次男・クロは伯爵の書記官という職を得て、あらゆることを記録する傍ら、三つ子や伯爵との信頼関係も築く。
そこで起こった事件を追ううち、犯人は捕らえられ刑も済み、事件は終わったかにみえる。
しかしいくつかの疑問や違和感を持つ者が次々と新たに出てくるという止まらない思惑が、手が止まらないほど集中させた。
事実が語られるのは常にその者が死んでから手記で、という共通点も、まだ何か残っているのではと思わせる。