影憑き 古道具屋 皆塵堂


2015年12月26日 読了
 そこそこ大きな店の息子たち3人は、甘やかされて放蕩三昧だった。
そしてとうとう大目玉を食らい、3人別々に他所へ預けられることになる。
 そのうちの一人円九郎が預けられたのが皆塵堂。
そしてやっぱり怖い思いをする。

 とりあえず謝って、相手の怒りが収まるまで少しおとなしくして、口先だけの嘘で反省する。そんな円九郎は皆塵堂で改心するのだろうか。
相変わらずの面々に囲まれ、散々幽霊と出会い、悪友は憑き殺されてしまうというひどい思いをする円九郎。荒療治だけど怖い雰囲気は所々で猫や峯吉が和らげてくれる。
仲間も猫もどんどん増える。

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黒猫の回帰あるいは千夜行路


2015年12月26日 読了
 パリで起こった事故に、このところ連絡のない黒猫の様子が急に気になってきた付き人。
一人もやもやしているそんな時、ペルシャ美学の教授が『空飛ぶ絨毯に乗って消えた』という連絡を受ける。

 パリで二人の距離が縮まった様な気がしていたのに、それから時間が空いてしまったゆえに余計に意識してよそよそしくなってしまう付き人。
そんな二人の毎日を、短編形式で綴る。
 過去に起こった黒猫とその姉の出来事、船旅に持ち込まれた黒い箱が印象に残る。
最後はまたほんの少し、近づいたか。

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そして、何も残らない


2015年12月22日 読了
 高校卒業の日、真琴は閉鎖になった中学校へ向かった。
所属していた軽音楽部のメンバーが集まり、思い出したくないあの事故の真相を解き、憎んでいた教師への復讐をするためだ。

 冬、道路も通信手段も閉ざされ、大きな密室となった学校で起こる、連続殺人。
『そして誰もいなくなった』を使ったミステリーで、流れもオチまでもすべて定石通り。
面白いとは言えないが、ここまで型通りだと肉付けがどこまで膨らませられるか興味が出る。

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うずら大名


2015年12月20日 読了
 跡を継げる家もなく、金もなく、嫁をもらうこともできない。どこかに養子の道があれば良いが先々の見通しが全く立たない3男以下の男たちは、せめて剣の腕くらいはと道場に通う。
 ところが運よく家を継いだ吉之助は、ある日大名家へ向かう途中辻斬りに合う。それを助けた武家は、幼き日々に一緒に剣を習った道場仲間・有月であった。

 立場が変わった幼馴染たち。
鶉を飼う武家の有月と共に、江戸近隣で相次ぐ豪農不審死事件の解決に駆り出される吉之助。彼はやたらと涙もろいせいか、その情けなさが有月の名案を引き立てている。
動物が登場する話は和むので読みやすい。

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まったなし


2015年12月19日 読了
 江戸町名主の跡取り息子でのんき者の麻之助、町名主を継いでいる色男の清十郎、堅物だけど信用できる同心・吉五郎の3人に、今日も町の悩みや揉め事が持ち込まれる。

 清十郎の嫁取りがしだいに切羽詰まってもうまったなし。
おなごにモテる清十郎なのになぜ嫁が決まらないのか。
周りからせっつかれ、麻之助はいろいろと策を練る。

 江戸の話が多い作者だから、シリーズの中身が混乱してしまう。
それでも、悲しい出来事もありながら人情もありの安定感ですべて丸く収まる。

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黒十字サナトリウム


2015年12月16日 読了
 ある日梶原教授は、自分が狂っていることに気付いた。
そしてそれを知る友人を殺し、死に場所を探して旅に出る。
たどり着いた北の診療所には、自分を異形の者だと思い込む人たちが暮らしていた。

 様々な時代、場所で登場する美しい女性の正体が明かされるにつれ、サナトリウムに集う人々の正体もわかる。
近頃多い、わざとしつこく修飾語を並べて複雑に見せる、内容のないライトノベルと違い、哲学的な美しさを感じる文章。はじめは読みづらく感じるが、そのうち取りつかれたように目が離せなくなってしまう。
物語自体は目新しいものではないけど、その文章が魅せる雰囲気は後を引く。

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潮流―東京湾臨海署安積班


2015年12月11日 読了
 救急車で運ばれた一般人が次々と死亡し、3人目の死亡が知らされた時、連続殺人を確信する。
 そこで安積は、全く関係がない過去のある事件を思い出す。
それは、安積班が検挙した殺人事件で、犯人が服役中の今も無実を訴えている事件。

 須田が大変な目に合うが、彼はやっぱりツキを呼び込む。
内容も覚えていないような短編より、これくらいの方がいい。
今回も速水の名言がすべてを好転させる。

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みがかヌかがみ


2015年12月09日 読了
 大正時代、茶道の名家にお稽古をに来た紗葵子は、そこの師範と知らぬ間にお見合いをさせられており、結婚が決まる。
その師匠の家は、かつて生贄となるために育てられてきた姫が死と引き換えに手に入れた井戸を守る家だった。

 紗葵子の話と姫の死後とが交互に語られる。始めはそれぞれの物語だが、最後は不思議とシンクロしていく様子が静かに広がり、その後の彼らを様々に想像させる。
誰にも肩入れせずに進むせいか、残酷な場面でもすでに思い出話のようで、ある程度は癒されている感覚があってむやみに痛々しくない。長いおとぎ話といった感じ。

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葬偽屋は弔わない: 殺生歩武と5つのヴァ二タス


2015年12月06日 読了
 自分が死んだことにして、偽の葬儀をする。周りの人はどんな反応をみせるだろうか。
決して安くない費用がかかりますが、身近な人の本音を引きだすことができるでしょう。
依頼人は、若者から余命1か月の病人まで。

 現実の何もかもが感じられなくなり、死のうとしていたセレナは、いかにも怪しげな男に声をかけられる。4か月だけその命を預けてみないか、と。
イケメンだけどヘンタイの男二人と何人かの葬儀をやるうち、セレナを拾った男の過去が見えてくる。縁起でもない仕事だし、とても不謹慎なことをする人たちだけど、なぜだかさわやかに終わっている。

ヨイ豊


2015年12月05日 読了
 師匠で、義父でもある三代豊国の法事。「歌川の三羽烏」と言われた花形の絵師たちを次々に亡くしていた浮世絵界は、次代を継ぐ者は誰かに興味が集中していた。
娘婿の清太郎は、4代目を継げと詰め寄る弟弟子の八十八や、勝手なことを言う版元たちをかわし、苦悩していた。

 技能は師匠に及ばない、そして一党を統べる力はあるか。
苦しむ清太郎に才能あふれる八十八。時代は急激に変化し、浮世絵は売れないと言われるようになった頃を生きた者たちの悩みや戸惑いが、息苦しくなるような言葉で描かれていた。

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