黒十字サナトリウム


2015年12月16日 読了
 ある日梶原教授は、自分が狂っていることに気付いた。
そしてそれを知る友人を殺し、死に場所を探して旅に出る。
たどり着いた北の診療所には、自分を異形の者だと思い込む人たちが暮らしていた。

 様々な時代、場所で登場する美しい女性の正体が明かされるにつれ、サナトリウムに集う人々の正体もわかる。
近頃多い、わざとしつこく修飾語を並べて複雑に見せる、内容のないライトノベルと違い、哲学的な美しさを感じる文章。はじめは読みづらく感じるが、そのうち取りつかれたように目が離せなくなってしまう。
物語自体は目新しいものではないけど、その文章が魅せる雰囲気は後を引く。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

黒十字サナトリウム [ 中里友香 ]
価格:2200円(税込、送料無料) (2019/11/15時点)

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。