使用糸:毛糸ZAKKAストアーズ メランジェスラブ(22)
ALPS ウォッシャブル 純毛中細(1)
材料:ダイソー 滑り止めシート
サイズ:65×83cm
死層(下)
どうやらマリーノが騙されていたことが分かり、様々な方面から疑われる。
さらに、自宅の地下室で転落死したと思われていた遺体がずっと気になっていたケイは、そちらも調査を始めた。
すると、二つの事件がつながり、身近な人の裏切りも発覚してしまい、ケイは信頼する人達との時間を切実に求めていた。
下巻も半分くらいはだらだらとした印象。
ベントンに近づいてくる女性と、何かとケイに触れてくる男のせいで、二人とも嫉妬していたり、何を考えているのかと勘繰ったり、そんな話ばかり。
最近ルーシーとマリーノの存在感が薄くなってきて、ベントンとケイの嫉妬話でうんざりさせられ、半分以上は無駄話としか思えなくなっている。
最後は事件も解決し、マリーノは動物に癒されて、いい雰囲気で終わっているが、あまり後味はよくない。
死層(上)
ケイの元に、カナダの化石発掘現場で撮影したと思しき、耳の断片を映した謎の画像メールが寄せられた。
暗い画像なうえ、前触れもなく謎ばかりだったため、ケイは悩む。
そして、ボストンの湾内では、上下に釣られた女性の遺体が発見される。
発見時の不思議な様子に気を取られ、法廷に呼ばれていたにもかかわらず、遺体に向き合うことを優先してしまう。
ケイが海から引き揚げた遺体は、少しの衝撃でバラバラになるよう上下に引っ張られていて、その様子だけでも興味を惹かれる。
でもその後遅刻して出向いた法廷での意地悪なやり取りに嫌悪感が大きく、行方不明の古生物学者や海の中の死体よりも印象が大きくなる。
まだ上巻ではケイが仕事をする場面は少なく、ただ居心地の悪い場所での嫌な経験と、命令を無視した部下にいら立つケイしかいない。もっと死体に向き合う場面がほしい。
蝉かえる
16年前、災害ボランティア中に見た少女の幽霊のことが気になり、再度その場を訪れたの青年から聞いた少しのヒントで、魞沢は真相を語りだす。
交差点で起こった交通事故と、団地で起きた負傷事件の謎。
虫好きの魞沢が、その場の虫と共に語る真実。
静かに、淡々と話す魞沢の話が、時に虫の話にすり替わり、その時だけは熱く語り始めるという変わった探偵。
短編集なのでそれほど込み入ってはないし、虫と言っても割と身近な虫たちなのでイメージも沸く。
魞沢の語り口が優しいので、犯罪者からも悪意は感じないため嫌な気持ちは残らない。
少年の頃の魞沢からも、すでにその優しい探偵ぶりがうかがえてほほえましくなる。
双子同心捕物競い
そっくりの双子なのに、正確は正反対の二人。
兄の左京は真面目に父の跡を継いで同心になり、弟の右近は家を飛び出し地回りとして生活していた。
ある日、老人から「隠居したいので同心株を買わないか」と言われた右近。
何の因果か、二人は北と南に分かれて同心をやることになった。
タイトルから、一つの事件でどちらが手柄を上げるか競うのかと思っていたら、そう簡単ではなかった。
それぞれが別々に調査し、話し合いなどしない。
しかし、反発してもそれは双子。どこか似た考えがあり、最後は少し歩み寄る。
二人が違う縄張りで同じように励んでいたら、きっと町はとても平和になるだろう。
アランジャケット
使用糸:パピー ブリテッシュエロイカ(134)
編み図:アラン&ガンジーニット より
「アランジャケット」 778 g 12号針
高校事変 VII
新型コロナウイルスで日本中が大騒ぎしている中、センバツ高校野球の中止が決まり、結衣の元には、1年前の甲子園で起こった事件に関して、事情聴取をしに刑事たちがやってきた。
その時一緒にいた他の生徒たちも甲子園に呼び出されていることを知った結衣は、コロナ禍の今だからこその甲子園で行われる犯罪に気づき、一人何も知らされずにいた刑事と共に甲子園へ急ぐ。
1年前の甲子園と、コロナ禍で閉鎖中の甲子園と、二つの時間が交互に語られる。
さらに甲子園の内部の様子を知らないために混乱する。
これまでは、結衣を消そうとする者たちとの闘いとして自分の身を守るためだったのが、少し前からはむしろ罪のない生徒たちを巻き込むまいとする思いの方が、結衣の行動エネルギーとなっているように思う。
現実に起きた事件や事故を参考にした罠が使われているのも、現実味のない戦いを妙に身近に感じさせる一因となっている。
少し前に気味の悪い登場をした化学教師と、結衣の他の兄弟の存在が最後に意味深に出され、次作への興味をそそる。
ノッキンオン・ロックドドア2
不可能担当の御殿場倒理と、不可解担当の片無氷雨。
二人の探偵が得意分野をうまく集めて探偵をしている二人。
今度の依頼は、大きな穴の開いた密室殺人だった。
一風変わった依頼人よりもさらに変わった二人の掛け合いが楽しい。
大学のゼミで一緒だった4人組の残りは、一人は刑事に、一人は軽犯罪の知恵を売っているという点も風変り。
この関係が始まった事件を最後に解決し、関係に変化が起こるかと思いきや、4人は何もなかったかのようにあいさつを交わす。
居心地の良いままを望む4人は、読んでいても居心地がいい。
シャーロック・ホームズたちの新冒険
トキワ荘で手塚治虫が消えた。住人たちは皆漫画家で、それぞれに締め切りを抱えていたが、力を合わせて手塚治虫の「次回作」を書きあげる。
「黒後家蜘蛛の会」に持ち込まれたアイザック・アシモフが書いたといわれる手紙の謎。
誰もが知る人物たちの活躍を描く短編集。
それぞれに「こんなことがあったら面白い」といった要素が詰め込まれている。
短編なのでちょっとのぞき見する気分で読めるので気軽で、最後に作者によるちょっとしたコメントがついているため、なぜ彼らに着目したのがが書いてある。
個人的にはアシモフのロボット話が楽しかった。
タイトルのホームズに関係するのは1作だけなので、その点でいえばガッカリ。
透かし模様のストール
使用糸:ハマナカ アンゴラミーテ(9)
編み図:おでかけニット No.5 から
透かし模様のストール 245 g 7号針