父が文字を書き、意匠と飾り文字は叔父が、細密画は母が描いた。
〈夜の写本師〉である三人が彼のために書いてくれた薄い本は、いつの間にか彼の元から消えていた。
おそらく家を出ていった息子が持ち出したのだろう。
持ち主の元へ戻ってくる呪いがかかっているから、きっとまだ生きているはず。
そうして微かな希望を持って、〈護符師〉である彼・ヴァニバスは息子を探す旅に出た。
オーリエラントの魔導師シリーズ。
〈夜の写本師〉になれなかったヴァニバスだが、深い苦悩と憎しみを知って〈夜の写本師〉になっていく過程を描いている。
短編で、それぞれが違う話ではあるものの、すべてはヴァニバスに関わる事。
まとめて一つの大きな物語となっていて読みごたえがある。
