記憶の対位法


 自分が生まれる7年も前に死んだ祖父の遺品をかたずけることになったジャンゴ。
対独協力者として断罪され、一族から距離を置いていた祖父が晩年過ごした寒村の家で、ジャンゴは大量の書物と二十ほどの小箱を見つける。
遺品の中でただその小箱だけが、祖父の人となりを表すものだった。
そしてその箱から見つかった古く小さな紙片。
ジャンゴは西洋古典学を研究する大学院生ゾエと共に、その紙片の来し方を追求していく。

 「図書館の魔女」と同様、こちらも深い考察が多いため難しい専門知識の話がたくさん出てくる。
その道の研究者とゾエとの討論や、ジャンゴへの説明は大学の講義のよう。
そのため半分くらいはわからないままだった。
そして最後もなんだかよくわからないまま祖父への考察と、今を生きる自分たちへの応援で終わる。
ダヴィンチ・コードのような真実も解決もないので、長く読んできた割にしっくりこない。

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