2015年12月09日 読了
大正時代、茶道の名家にお稽古をに来た紗葵子は、そこの師範と知らぬ間にお見合いをさせられており、結婚が決まる。
その師匠の家は、かつて生贄となるために育てられてきた姫が死と引き換えに手に入れた井戸を守る家だった。
紗葵子の話と姫の死後とが交互に語られる。始めはそれぞれの物語だが、最後は不思議とシンクロしていく様子が静かに広がり、その後の彼らを様々に想像させる。
誰にも肩入れせずに進むせいか、残酷な場面でもすでに思い出話のようで、ある程度は癒されている感覚があってむやみに痛々しくない。長いおとぎ話といった感じ。
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