彼女は逃げ切れなかった


 父の介護のために5年前に早期退職した纐纈古都乃。
介護が終わってからは燃え尽き症候群のようになり、さらに先月古い友人の訃報も届いたとあって、共通の友人である刻子のやっている洋風居酒屋で飲み明かす日々。
ある朝道端でひき逃げを目撃したが、その時不思議な現象を起こす双子に出会う。
後日、刻子の店で偶然再会した双子と共に、元警察官の古都乃は事件を見抜いていく。

 不思議な力を持つ双子と元警察官という組み合わせが面白かった。
古都乃が考えていることがどんどん書かれているので、とめどないおしゃべりを聞いている気がしてあっという間に時間が過ぎる。
ただ、あくまでも元警察官の立場なので、推理に終わり、その後の真実までは明かされない。
もっと考察できるのではと続きを考えたくなる。