2018年07月12日 読了
偽りの葬儀をして、周りの人間がどうなるのか、何をするのかを知る。
依頼人の理由はそれぞれで、その本心を知り、演出を施す。
前作も読んだのだが、さっぱり内容を思い出せない。
それなりに濃いキャラクター達だし、面白い趣向で印象深いはずなのに。
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読書と編み物の記録
2018年07月12日 読了
偽りの葬儀をして、周りの人間がどうなるのか、何をするのかを知る。
依頼人の理由はそれぞれで、その本心を知り、演出を施す。
前作も読んだのだが、さっぱり内容を思い出せない。
それなりに濃いキャラクター達だし、面白い趣向で印象深いはずなのに。
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2018年07月10日 読了
太陽にまっすぐ近づいているネメシス。
それは5000年後だが、地球人はすぐにでも避難を始めなければならない。
そんな時、そのネメシスに厄介払いされたユージニアとマルレイネには、不思議なことが起こっていた。
星に呼ばれたマルレイネ。
そこでやっと自分の居場所を見つけたと思ったのに、突然地球から父がやってくる。
地球にも父にも関心のないマルレイネは、それでも地球を救うために自分のできることをする。
その解決法はいまでは普通になっているけど、これが書かれた当時、世間はどんな感想を持ったのだろう。
今になっても実現されていない技術がたくさん盛り込まれていて、想像力を駆り立てる。
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2018年06月30日 読了
前菜、スープ、メインからデザートまで、料理のフルコースを殺人メニューの献立で集めた一冊。
アシモフだけじゃなく、いろんな作家たちの紹介と共に並んだ殺人メニューは、訳者が同じせいか、作者が違うという気がしない。
そして同じような手口もあったりする。
どれかが印象に残るというよりは、すべて通して一連のドラマのよう。
気になる作家を今後探してみよう。
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2018年06月13日 読了
伊勢志摩の海で30年まえ、青い真珠と1人の海女が消えた。
それ以来、海女の娘は口をきかず、ただ波間に漂う花弁のように暮らしていた。
夏の間、海洋研究所へ行くことになった和彦と、なぜか集まってきた上杉と若武も合流し、消えた真珠と事件の謎を解く決意をする。
少女の気持ちはわかったからもう少女小説は書かないと言った作者が、今度は少年の気持ちをわかろうとしているのか。
ちょっとこっぱずかしいような出来事もあるが、少年が対象だからだろう。
事件を推理するというより執念で解決した。
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2018年06月13日 読了
友人と二人、デパートの屋上でひたすら空を蹴り上げる男に会いに行く。
その男は、空から降って来る「不幸」を落とさないよう、空に返すために蹴っているのだそうだ。
人生に悩む10代の生徒たちを主人公にした悩みを、それぞれの視点からちょっと滑稽な表現で描く。
どんなに切ないことでも、悩みも、まるでたいしたことがないという口調で描かれるが、何度も繰り返されることで重大さが協調される。
彼らの繋がりを考えながら読むと楽しい。
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2018年05月28日 読了
湿原に建つラブホテル。
従業員も客も、知れば複雑な事情を持っていた。
そのホテルを背景に、いくつかの人物を掘り下げた短編。
なんだか後味の悪いものが最初にあったせいか、だんだんその場所に同情心が芽生えてくる。
静かに海の底に住む生き物を観察している気分。
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2018年05月23日 読了
江戸で名の知れた寺の高僧が、薬種屋たちを集めて話があるという。そのさなか、突然父の藤兵衛が倒れた。
どうやら、いくつもの薬を同時に飲んだらしい。
藤兵衛が死ぬかもしれない。
そんな事態になったらさすがの若だんなも寝付いていられない、と動き出す。
今回は若だんなもいつもより危ない目に合う。
いつものほのぼのさがなかったためか、妖たちも活躍する割に印象が薄い。
毎回一つはしばらく余韻の残る話があるのに、今回は死にかけた印象しかなかった。
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2018年04月29日 読了
シャーロットの学院に、バローダの第一王女・パティが編入してきた。
寮で一番の部屋に陣取り、コーラスの歌を返させ、象に乗って街に出る。
とんでもない行動に皆を巻き込み、振り回す王女。
振り回され、いちいち腹を立てていた少女たちも、次第に気になり出し、王女に興味を抱く。
10代の女の子らしい発想ではしゃぐ姿が微笑ましいが、その分とんでもないことを思いついたりして、ハラハラする。
人の事には敏いシャーロットが、カーリーの様子にだけは鈍感なのも定石。
その力強さとノリが最後まで楽しかった。
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2018年04月28日 読了
森の中、墓地の奥にある古い洋館には、ピアノ教室があった。
そこは、彼女の音が聞こえる人だけが通える、なんでも教える教室。
不思議なピアノ教室に迷い込んだ少年が、ひと夏そこでバイトすることになった。
始めは彼女の引くピアノに惹かれ、洋館の掃除や生徒の譜めくりをしていた主人公の祐介だが、やがて繰り返される7月の記憶に不自然を感じ始める。
どんな結末になるのかは後半に入ると予想できるが、祐介や彼女の描写が細やかでリアルなために引き込まれる。
彼女が幼い事祐介にささやいた言葉が気になって様々に空想が広がり、音であふれた余韻を残す。
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2018年04月20日 読了
大学院生の圭は、優秀だがわがままで横暴な指導教員の宇賀神について、研究室の雑用を一手に引き受けていた。
それもこれも就職の恩恵があるため。
しかしある時、二人で東都工科大学の蓮見教授に招かれ、出向いた先で衝撃的な事実を知らされる。
優秀だけど軽薄な上司に振り回される主人公はとても想像しやすく、滑稽なやりとりが楽しいが、最後はシリアスで悲しい事実を知らされる。
科学に向ける視線のずれを、合コンで知り合った女の子がスパッと言い当ててくれて爽快な反面、胡散臭い科学が身近にあるのも恐ろしい。
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