2018年04月03日 読了
70年まえに松ノ内家に居候していた文豪が書き残したという幻の原稿。
当時の事がうっすらと記憶にある当主の貞夫は、松ノ内家に泥を塗る内容が書かれていたのではと心配するが。
作家の孫だという男が突然やってきて、居候を始める。
しばらくは何をやりたいのかわからず興味がわかなかったが、当時の事がわかって来るたびに松ノ内家の面々に興味が湧いてくる。
前半はつまらなかったためにさほど期待をしていなかったせいか、それなりに面白い結末だったと思う。
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読書と編み物の記録
2018年04月03日 読了
70年まえに松ノ内家に居候していた文豪が書き残したという幻の原稿。
当時の事がうっすらと記憶にある当主の貞夫は、松ノ内家に泥を塗る内容が書かれていたのではと心配するが。
作家の孫だという男が突然やってきて、居候を始める。
しばらくは何をやりたいのかわからず興味がわかなかったが、当時の事がわかって来るたびに松ノ内家の面々に興味が湧いてくる。
前半はつまらなかったためにさほど期待をしていなかったせいか、それなりに面白い結末だったと思う。
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2018年03月05日 読了
9才の女の子さきちゃんは、お母さんと二人暮らし。
二人が大事に過ごす毎日を、かわいいイラストと共にふわっと綴る。
二人を柔らかく優しく包む空気にほっとする。
寝る前の少しの物語、聞き間違いで大笑いしたり、何気ない出来事が、イラストの穏やかさでさらに優しい気持ちにしてくれる。
ちょっとした小話がいくつも集まっているので、何かの待ち時間に少しづつ読むのに最適。
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2018年02月19日 読了
御薬園同心・水上草介。園丁たちから水草さまと呼ばれるほどののんびり屋。2年後には医学を学びに紀州へ旅立つ事が決まっているのに、近頃は漢方蘭方融合の施術を行う園内の養生所を快く思わない目付け役人が時折顔を見せるようになり、なにやら周りが騒がしくなる。
煮え切らない草介は、周りが次々と動き出してからやっと己の意志を見つめる。
蘭方医・河島が牢に入れられたりと物騒なことが起こり、ひやひやする出来事が続く中、次に繫がる決意と共に終わってしまった。
続きが読みたくなる。
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2018年01月28日 読了
弟と先妻の息子が誘拐されたと友人から打ち明けられた千秋。
一緒にプロのミュージシャンを目指す恋人の要之助と一緒に、にわか探偵となって犯人を捜す。
まだ携帯が珍しかった時代。身代金受け渡しに出かける友人の車を尾行する二人が取れる連絡手段が公衆電話というもどかしさ。
関係者がほとんど殺され、すっかりすべてが終わった頃になって、犯人が予想されてくる。ある意味想像通りだけど、展開はとても楽しく、トリックや周到で大がかりな工作は犯人の狂気と覚悟の大きさをよく表していた。
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2017年12月26日 読了
スキーの元日本代表・緋田の娘は、今急成長中のスキー選手で、将来を期待されていた。
ある時緋田は、妻が昔流産していたことを知る。そして会社から、緋田親娘の遺伝子パターンを調べたいとの依頼が来た。
自分の娘だと思っていた子は、実は他人かもしれないと恐れる緋田の心がたっぷりと描かれ、その動揺がどくどくと流れるように伝わってくる。
ただ衝撃の事実が出てくるだけじゃないのでひやひやしながら楽しめた。
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2017年12月14日 読了
酒で悩んでいる人に手を貸したい。
酒屋の若旦那は、様々な悩みを聞く。
単に酒癖が悪いとか身を持ち崩したとかいう話ではなく、親友と最高の酒を飲むつもりが相手に死なれてしまうといった、切ない話が6つ。
人を救い、そして最後には自分も救われ、ほっこりとさせられた。
酒は一緒に飲む相手によって味が変わる。
名前が出てきた酒を少し、飲んでみたくなる。
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2017年12月08日 読了
両親の虐待に耐えかね逃亡した少年エリックが逃げ込んだ先のテニエル博士の家で、エリックはひと時の幸せを感じていた。
その頃、〈ジェリーフィッシュ〉事件後、閑職に回されたマリアと漣に、P署の刑事ドミニクから「調べてほしいことがある」と連絡が入る。
過去の事件と現在の出来事がどこで繋がるのか、興味をそらさず話が進む。
長い年月をかけた確実な復讐のために。
人物象がつかめていなかったために混乱したりもしたが、それは作者がわざと混乱させたのだろう。青いバラにまつわる話は大抵恐ろしい。
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2017年12月05日 読了
「誰にでもできる簡単なお仕事です」という文句と共に、数百人も集められたガキども。集まった者には白いカードが配られ、コンビニで金を下ろすことを命じられる。
いかにも怪しい詐欺の出し子のバイト。ずぶぬれで現れた女子中学生からの依頼。別れた妻の新しい男が子供に暴力をふるっているかもしれない、といった問題が今日もやってくる。
マコトやタカシの様子はいつも通りだけど、タカシの、時に非道なほど容赦ない決着の付け方はもう最近見なくなったのが残念。
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2017年12月02日 読了
溝猫(どぶねこ)長屋で亡くなったお多恵が祀られた祠にお参りしている年長の少年4人が、今回出会った怪異は。
毎回仲間外れになっている銀太が、祠に向かって「毎回同じで芸がない」と悪口を言ったせいで順番が狂い、「見る」「聞く」「嗅ぐ」が2巡目に入る。
今度も色んなお化けが出るが、今までと違って見た目が恐ろしいものはなく、どちらかというとにこにこしている幽霊ばかり。そのためお紺ちゃんの傍若無人ぶりが極まってくる。
4人の長屋を出る日も近づいてきて、なんだかさみしい気持ちになる。
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2017年11月17日 読了
2016年第14回『このミステリーがすごい!大賞』大賞受賞作。
お金に困っている人を助けたいとメガバンクに就職した良太。しかし実状に失望して退職。そんな時、兄の会社がつぶれそうだということを知り、その過程で『黒女神』と呼ばれる株のエキスパートと出会う。
難しい株や金融の話かと思っていたらそんなことはない。
困っている人の大切なものを投げ出せるかを試し、約束を守った人は必ず助けられている。
『黒女神』の茜がとても印象的なキャラクターだけど、決して苦労知らずの小娘ではないし、良太にも茜にも心を寄せることができる。
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