変幻


2017年09月28日 読了
 同期の一人、警視庁捜査一課刑事の宇田川の同期、特殊班の大石から「しばらく会えなくなるかもしれないから、飲みに行こう」と誘われる。
その言葉通り、翌週から姿を見なくなった大石。
そこへ、もう一人の同期である蘇我から、大石が潜入捜査の末連絡が取れなくなり、救済措置が機能しなくなったから力を貸してほしいという連絡が入る。

 「同期」シリーズの完結編だという。
1作目は割と印象に残っていたので楽しみにしていた。
同期だというだけで、その活躍が身近に思えてしまうとろこに親しみを感じる。
完結というほど大きな出来事ではなかったし、もっと先もある気がするので、これで終わりなのは寂しい。

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猫の傀儡


2017年09月20日 読了
 主人公は猫。
人間を操り、猫のために働かせる傀儡師として、突然姿を消した先代のあとを継いだミスジ。
まずは盗人の疑いをかけられた履物屋の飼い猫・キジのために、傀儡である狂言作者の阿次郎を上手く動かして濡れ衣を払う。

 猫目線のため人間に都合のいいような結果にはならないといいつつ、結局は皆丸く収まり、かわいい猫の姿を想像しながら楽しく読める。
慕っていた先代の行方不明の究明もでき、すっきりと終われた。

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恋する組長


2017年09月13日 読了
 探偵事務所を開いている「俺」。
従業員は所長の自分と、電話番にしか使えない由子の二人。
そんなところに依頼が来るのは金が大好きな悪徳刑事とヤクザくらいで。

 前作があるのではと思うような作りで、昔の事件なども面白そうで気になってしまう。組長の愛犬がいなくなったので探していると死体にぶつかり、悪徳刑事の唯一の良心である妻が浮気しているかもしれないと泣きつかれ、その妻に横恋慕する違う組の組長。
登場人物がいちいち個性豊かで楽しい。

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ばけもの好む中将 六 美しき獣たち


2017年09月11日 読了
 12人の姉がいる中流貴族の青年・宗孝。そのうち、夫の赴任地に付いていかず、一人都で暮らしている9番目の姉が今回はメイン。
 夫からの文や贈り物が届かなくなったため、情が消えてしまったのではないかと思い悩む九の姉の前に、怪しい老婆集団が現れた。

 嫉妬深い母の刷り込みのせいで、何につけても自信がない九の姉。
そこに付け込まれて散々な目にあうのだが、宗孝がどんなに手を貸そうと、動き始めた不運は止められない。
今回は宗孝ではなく、九の姉があちこち振り回され、最後には不穏な暗示を残して終わるので気になってしょうがない。

ボス・イズ・バック


2017年09月07日 読了
 泣く子も黙るご面相のヤクザ組長・山虎が突然出家するという。
そんな裏稼業のところから仕事を貰ってやってきた探偵は、メシの種がなくなったら大変と、なんとかやめさせようとする。

 坊主の癖に金と女が大好きで常に何か企んでいる和尚や、ちょっとした悪事など平気でやってのける悪徳刑事がいたり、山虎の凶暴な愛犬ベルちゃんも含め、個性が強くて胡散臭い者ばかり。
ハードボイルドとは言っても、クスリと笑える部分が多くて明るくさらりと読めて楽しい。

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最後の秘境 東京藝大:天才たちのカオスな日常


2017年08月29日 読了
 才能を武器に日々奮闘する天才たちの日常。
藝大に通う妻の不思議な言動に興味が湧き、藝大に忍び込み、いろんな人にインタビューした、半分ドキュメンタリーな話。

 一つの事を専攻し、突き詰めている人たちは、そうじゃない人から見たら変人にしか見えない。濃い個性と考え方が楽しい。
違う事を学んでいる大学はどこでもそれなりに興味深い不思議さがあるが、頭がいい人達はもっとすごかった。
何かを極めようとすると、もっといろんなことが知りたくなり、どんどん専門から遠くなってしまったり、広がったりする。とても4年じゃ足りなさそう。

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最後の秘境 東京藝大 天才たちのカオスな日常 [ 二宮 敦人 ]
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北斎まんだら


2017年08月25日 読了
 信州小布施の豪商、高井家の惣領息子・三九郎は、在所で婚約者も決まっている身ながら江戸へやってきた。
あの葛飾北斎に師事するためだ。
ところが、癖の強い北斎と娘のお英に振り回され、二人を知るほど絵師となることから離れていく。

 北斎とお英の個性が強くて引き込まれる。
二人を知るうち、三苦労は自身の生きざまを決意するに至るが、最後は妖でごまかされた気がしてとても残念。
そんなくだりがなくても十分面白いのに、そこで白けてしまった。

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北斎まんだら [ 梶 よう子 ]
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去就: 隠蔽捜査6


2017年08月21日 読了
 大森署管内で女性の連れ去り事件が起きた。その後、殺人事件となり、捜査本部が立つ。
竜崎は淡々と自分の任務をこなそうとするが、竜崎のやり方に反対するものの横やりが入る。

 相変わらずの竜崎だが、もっと偏屈になっている。
自分では理屈が通り、最良の判断だと思っていても、それぞれの立場からの横やりにうんざりしていく。
安積班の速水と似たようなキャラクターもいて、メリハリはあるが、やっぱり他の刑事モノと区別がつきにくい。

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東京會舘とわたし(上)旧館


2017年08月12日 読了
 大正11年、丸の内に落成した国際社交場・東京會舘を舞台に、時代時代で會舘に出入りした者たちの物語。

 1,2話までは、たいくつで面白みもなく、やめてしまおうかと思っていたが、3話目で少し興味が湧き、4話目で楽しくなってきた。
ずっとそこにある建物に関わった者たちが、どんな思いで過ごしたのか。

 ただ、仕事を趣味にできる者が感じる幸せの話が多く、良い話ではあるものの共感まではできない。

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東京會舘とわたし 上 旧館 (文春文庫) [ 辻村 深月 ]
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超高速!参勤交代


2017年08月07日 読了
 八代将軍徳川吉宗の時代。
一万五〇〇〇石の磐城湯長谷藩に隠し金山があるとの嫌疑がかかり、5日以内に参内せよとの命令が下る。
金も時間もない藩は、最小の規模で最速の参勤交代を開始する。

 もっとドタバタのコメディかと思ったら、スピード感よりも道中出くわす出来事の一つ一つが印象的すぎて気が休まらない。
奇想天外な出来事と、ありえない展開が楽しかった。
映画も見てみたい。

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超高速! 参勤交代 (講談社文庫) [ 土橋 章宏 ]
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