医学のたまご


2011年08月08日 読了
 「ジーン・ワルツ」で生まれた双子の片割れ・薫。
うっかりいい点を取ってしまった「潜在能力試験」のせいで、東城大学医学部にとび級入学するはめになってしまった。

 中学生が大人の世界に迷い込んで、いろんな不条理に出くわす。

 地位のある人の横暴さが徹底している。
最後はスッキリやりこめているが、それも他人の力を借りるという情けない主人公。
 それでも医学の面白さはかなり伝わる。

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ちょちょら


2011年07月29日 読了
 兄上が自刃した。
後を継いで江戸留守居役となった新之助は、強かな他藩の留守居役達と共に、前代未聞の大仕事を打つ。

 始まりは退屈で、留守居役の仕事とはこうゆうものだという説明めいた出来事が続く。
 大事になってくるのは1/3を過ぎた頃か。
博打を打つような張ったりと緊張感とどんでん返し。
 いい友がいることが充実感を倍増させる。

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BG、あるいは死せるカイニス


2011年07月22日 読了
 不思議な世界観がさも当然というように始まり、やがてごくありふれた事件が起こる。

 人は誰しも生まれた時は女であり、やがてその一部が男へと転換する世界。
 
 おかしなタイトルだと思って手に取っただけ。
だけど読みだすと止まらない。
性転換する生き物は、母であり父になる。

 久しぶりにじっくり入り込めた。

ブック・ジャングル


2011年07月04日 読了
 深夜に忍びこんだ閉館になった図書館。
そこには殺意があった。

 タイトルだけで十分興味をそそる。
閉館後の図書館で自分に向かってくる殺意と戦うという設定も。

 少し稚拙ながらも、じりじりと迫ってくる敵に知恵と工夫で対峙する様は想像していて面白い。
 一夜の冒険に図書館はうってつけ。

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ゆんでめて


2011年07月03日 読了
 シリーズ9作目。
今回はちょっと構成変わっていておもしろかった。
 続いてゆく人生と分かれ目。

 どんなに考えて出した結論でも、ふと思いついたことでも、
数年後には生涯忘れられない後悔として残るかもしれない。
巻き戻される数年は、二つ目の人生を観てきた感じで、とても切ない。

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わくらば日記


2011年06月28日 読了
 昭和、貧しいながらも幸せに暮らしていた母さまと姉さまと私。
美しく病弱な姉さまが、ビデオのように“見る”景色には、いいことも悪いこともあった。

 若くして亡くなってしまった姉さまの記憶を辿る、私の回顧録。

 穏やかに丁寧に、呟くように語られる姉さまの話は、切ない。
ぽつりと涙をこぼす姉さまの姿が目に浮かぶ。

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トーキョー・プリズン


2011年06月13日 読了
 行方不明の友人を探してトーキョーにやってきたフェアフィールドは、日本人戦犯が収容されているスガモプリズンに入る。
そして、そこで調査をする交換条件として、兵隊の事故死の真相を探るよう依頼された。

 「ジョーカー・ゲーム」の重さと、「はじまりの島」の謎解きが美味く混ざり、じっくりと考えることが出来る作品。
 文体、題材共にとても好きな部類に入る。

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ホルモー六景


2011年05月06日 読了
 ホルモー第2段。
前作はホルモーの闘いそのものだったが、今作はその周囲に集う人々の恋模様を描く。

 前作のようなばかばかしいほどの大騒ぎを演じる人たちが、どんな風にホルモーに関わっているのかを描いている。
突拍子もない設定は前作で慣れているので入りやすいかと思っていたら、こちらはさほどでもなくすんなり読めた。

 それにしても、鼻の形が理想そのものだったから恋をしたり、もう一人は額だったり、この作者はやっぱりなにかが違っていておかしい。

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ボーナス・トラック


2011年04月29日 読了
 ハンバーガーショップで働く主人公・草野が、くたびれ果てて自宅へ戻る途中、ひき逃げ事故を目撃した。
 そしてそれから、被害者の幽霊に付きまとわれることになる。

 のっけから暗くて悲惨で憂鬱な気分になったけど、やたら明るい幽霊のおかげで徐々に持ち直す。

 タイトルの意味も表紙の意味もわからないし、幽霊に憑かれた人の話でありふれてるなと飽きてきた頃から、ちょっといい話が飛び出してきた。

 最後は幸福で満足な気分で終わるので、おいしいご飯が食べたくなる。

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ダブル・ジョーカー


2011年04月28日 読了
 新たに設立された秘密諜報組織“風機関”
だが帝国陸軍に諜報機関は、すでに存在していた。

 結城中佐率いる“D機関”と競わせ、どちらかを消す。
そんなシナリオで遣わされた風戸は、“D機関”を出し抜くべく、
様々な手を打つ。

 “D機関”の続編というから、また同じ流れかと思っていたら、
全く逆の視点で“D機関”を観ることになった。

 続編で失望するものは多いが、これは新鮮だった。

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