僕は長い昼と長い夜を過ごす


2010年09月03日 読了
 50時間起きて20時間眠る体質。拾った二億円。突然消えた母。強盗に殺された父。

 さらっと闇に巻き込まれ、周りの人間を引きつけながら二億円と過去の犯罪をも取り込もうとする主人公。
 
 ミステリなのに爽やかな感じで流れるやり方は作者らしい。

 飛び込んできた女の子とあっさり恋仲になるのは草食系ゆえか。

仔羊の巣


2010年08月21日 読了
 ホームズとワトソンの鳥井と坂木。
彼らの世界は少しずつ広がる。

 もうすっかり認知された二人の関係だが、今回は鳥井の弱い部分はほとんどなかった。でもそれは、鳥井の鳥井らしさが少しなくなってしまったようで寂しい。

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青空の卵


2010年08月20日 読了
 引きこもりの友人・鳥井を、出来るだけ外に連れ出そうとして、いろんな問題を持ち込む主人公・坂木。

 いつもは口も態度も悪くて愛想もない鳥井だが、その洞察力は引きこもっている人とは思えないほど「ヒト」を読み解いていく。

 そんな鳥井が、坂木の感情の揺れに呼応して自分も揺さぶられてしまう危うさが、なんだかとても愛しくなる。
一瞬のうちに子供の口調になり、さっきまでの冷たいほどの理知的な顔がぐちゃぐちゃに崩れる様は、滑稽だけど人ごとじゃない気がする。怖いけれど目が離せない。

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ルーンの子供たちDEMONIC 5


2010年07月18日 読了
ジョシュアの物語が終わる。デモニックの彼が幸せだと感じることが出来るだけ多いようにと。

 冬の剣のメンバーも加わって賑やかになり、多少都合のいい解決法も含みながらのハッピーエンドは後味がいい。

 第3部はきっとランジェが活躍する。

 そして、図書館の人は冬の剣とデモニックの区別を2年たってもつけてくれなかった・・・

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ルーンの子供たちDEMONIC 4


2010年07月17日 読了
 旅は終わり、城へと帰ってきたジョシュア。
自分の「人形」に戸惑っていたはずが、やがて興味に変わる。

 今までチラリと顔をのぞかせていたランジェや、名前だけの登場だったティチエルも混ざり、どんどん複雑になっていく。
 佳境にはいってきたなという予感はするものの、なぜか1,2巻ほどのスピード感はない。

 そしてどんどん誤植も増えている・・・

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さびしい女神―僕僕先生


2010年07月11日 読了
 道連れが増えた僕僕先生一行が、とある村へ向かう。
故郷の村が旱魃で滅びそうだと聞いて向かったそこには、魃という名の女神が住んでいた。

 大昔の戦い。求められて生まれ、求められて戦い、求められて殺した。その結果、誰もの手にあまり、封じられるしかなかった女神の、さびしい物語。

 結末もさびしかった。人智を超えたものには、それ相応の責任の取り方があると。
 僕僕の過去も語られたが、今回は外伝的なお話だった。

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ルーンの子供たちDEMONIC 3


2010年07月10日 読了
 溶かした金で空を飛ぶ船。誰もいない島。もう一人の自分。
ファンタジーとしての素材も伏線もたっぷりで、推理もいる。

 政治を学んだ作者が、ランジェにその能力を渡し、水面下の活躍が所々で針のように冷たい跡を残す。

 ジョシュアとランジェの絡みがもうすぐありそうな予感が期待をそそる。

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ルーンの子供たち DEMONIC 1


2010年06月23日 読了
 ボリスのお話「冬の剣」に続く第2部。
ジョシュアは、アルニム家の2,3代に一人生まれる『デモニック』。その孤独な少年は、マキシミンという友ができ、生きる実感を感じるようになる。

 今までの出来事がすべて頭の中にあり、忘れることのできない天才であるジョシュアの、凡人にはわからない言動がおもしろい。
 そして、あまり好きではなかったマキシミンは、この1巻だけですっかり見直すこととなった。

 「冬の剣」よりも時間を忘れる。このシリーズの、本の厚さと紙の質感が好き。
 
 ゆっくりと時間をかけて読書をしているという心の余裕が持てる感じで、一文字も見逃したくない気分にさせてくれる。

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Dカラーバケーション(インディゴの夜)


2010年06月16日 読了
 クラブ<インディゴ>が改装をきっかけに2部制へと移行した。
新しく加わった昼の部のホスト達との、いろんな意味での違いに振り回されつつ、また今回もトラブルに首を突っ込む。

 今回は今までよりヤバめのトラブルばかり。どんどん大事になっていく。

 でも今回は、大きな謎である優夜さんの、店以外の一面が見れた。これで<インディゴ>は一段落するだろう。絆も。

「何も話さないのは、できるだけあなたと一緒にいたいからです」

 謎が明かされたわけでは全然ないが、なんとなく納得し、こちらも一緒にいたいと思わせられた。

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Dカラーバケーション インディゴの夜4 [ 加藤実秋 ]
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フリーター、家を買う。


2010年05月29日 読了
 最初の就職は3カ月で辞めた。その後、フリーター。25歳。
世間から滑り落ち、再び立ち上がる気持ちも萎え、ただ怠惰な毎日を送る主人公。
 
 母親の病気に20年も気づかなかったなんて!

 家族のことにはとんと興味を持てなかった男どもは、母の変化に途方に暮れる。
 しおれた男にカツを飛ばす姉の亜矢子がかっこいい。

 主人公のダメぶりに心が痛いが耳も痛い。。。
こんな風に変われたら、こんなふうに仕事が出来たら、、、。

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フリーター、家を買う。 [ 有川浩 ]
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