2011年04月23日 読了
黒川鈴木刑事が、部下の無能ぶりに卒倒して入院。
そして病院での妙な窃盗事件に首を突っ込む。
黒川とそれぞれ他の人たちとのやりとりが前にも増してコミカル。
時々情けなくて、涙をうかべながら耐える黒川刑事がかわいいが、それでも事件は凛々しく解決してしまう。
妻の穏やかな意地悪も凄みを増し、もう脇役などではなくなっている。
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読書と編み物の記録
2011年04月23日 読了
黒川鈴木刑事が、部下の無能ぶりに卒倒して入院。
そして病院での妙な窃盗事件に首を突っ込む。
黒川とそれぞれ他の人たちとのやりとりが前にも増してコミカル。
時々情けなくて、涙をうかべながら耐える黒川刑事がかわいいが、それでも事件は凛々しく解決してしまう。
妻の穏やかな意地悪も凄みを増し、もう脇役などではなくなっている。
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2011年04月18日 読了
私は、魔法使いになりたい。
そう言う彼女は毎日、憂鬱そうに唇を惹き結んで、ほとんど笑わず、自分からはめったに話そうとしない。
彼女に一目ぼれした主人公が、なんとか仲良くなりたいと日々話しかける様子はほほえましい。
彼女が解き、そして持っている悩みや謎は、まさに「灰かぶり姫」のシンデレラ。
その分少女趣味的で底が浅い部分もあったけど、学園ものなら充分か。
シンデレラの方が有名だけど、私は子供のころからサンドリヨンが好きだったのでタイトルで選んだ本。
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2011年02月12日 読了
明治になって20年もたったころ、江戸のご時世なら「若様」と呼ばれる立場であった武士家の若君たちが、暮らしの安定を狙って入った警察学校で起こる出来事を描く。
「アイスクリン強し」の少し前の出来事である。
たった2カ月の警察学校生活を、無事に乗り切ろうと思っていたはずなのに、初日から諍いを起こす。
この時代ならではの対抗意識を、若者らしい受け取り方と行動力で清々しく描いている。
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2011年02月06日 読了
ある町の交番には、変わり者のおまわりさんがいる。
地域住民の事を妙に知っている彼女のいる交番に、今夜も人々が集う。
変わり者だけどすごい。
民事不介入なはずの警察だけど、おまわりさんなら相談できる。
身近で頼りにしてもいい人がいるってとても力強い。
静かな夜に読む短編集。
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2011年01月30日 読了
「空気がきれい」としか言いようのない田舎町で起こった少女殺人事件。その少女と友達だった3人の女の子は、「償い」という「約束」をさせられていた。
3人それぞれの目線で語られた事件以降の日々。
疑問はもちつつも引き込まれていった。
最後に全ての関係が明らかとなり、すとんと納得がいったが悲しい結末だった。
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2011年01月29日 読了
北アルプスの山小屋で働く五木。登山道から外れて倒れていた遭難者を発見したことがきっかけで繋がる、いくつかの事件。
わずかな違和感が五木を動かす。人が気づかないことに気づく五木だったが、それは後味の良いものばかりとは言えなかった。
「聖域」に続き山の話。どこか頼りない主人公だが、悩み続け、なんとか難を逃れながら見つける事実は、やっぱりいいものばかりではなかった。
でも、たいていの人が持つ力や覚悟ってそんなものかもしれないなぁ。
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2011年01月09日 読了
日本の映画界を支えてきた俳優、伝説の女優と言われたその妻、子供たち、その婚約者。
本当の家族が、家族を演じる。
発想が面白い。ドキュメンタリーのような劇。
自然なしぐさと会話だけれど、カメラがある間は全て演技である。
作者らしい穏やかさがジワリと哀しみを誘い、淡々として何事も起こらないのに飽きない。
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2010年12月27日 読了
一つの家族の、それぞれの世代が持つ、それぞれの悩み。
それらは長く心にあり、おいそれとは解決しない。
一人ひとりの視点から、一家族を何十年も眺めていった物語。
淡々と流れる時間が、重い事実を少しずつろ過していく。
おそらくそれほど不思議ではない家族の様子が描かれている。
近頃はこんな感じの、じわりと暗い時間が一筋流れる小説が増えたような気がする。
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2010年12月11日 読了
女が求めるモノ。恋愛・性的ファンタジー。
密やかゆえに強烈に求める12人の女たちは、少しの揺らぎで崩れもするし、満たされもする。
体は満たされても淋しいまま、どろりと横たわる言葉にできない何かが引きずり出されてくる感覚。
短編でさらりと終わるため、女たちの力はまだ残されていると感じる。
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2010年12月05日 読了
七海学園に勤めて3年目の保育士・北沢春菜がその冬体験したのは。。。
学園の少年少女が通う高校の文化祭の日に起きた、校舎屋上からの転落事件。
前作と違い、一つの事件の周りに伏線の事件がまとわりついていて、混乱させる。時間軸や主人公までも。
最後は「やられた」と呟けるほど見事で、どこから騙されていたのかと何度も読み返すこととなる。
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