文学刑事サーズデイ・ネクスト〈1〉


2010年05月23日 読了
 特別捜査機関(スペックオプス)に所属する「文学刑事」のサーズデイ・ネクスト。文学作品の中に侵入できる特殊装置「文の門」を使って何事かを企む者たちを、物語の中に入って阻止しようとする。
 もちろん協力者は小説の登場人物で、彼女らの行いによってお話が変わってしまうことだってありうる。

 物語に入ることができる!登場人物と話が出来る!そして仲良くもなれる!

 こんな素敵なことはない。小さいころからどれだけ夢みただろう。 『不思議の国のアリス』?『ハリー・ポッター』?
そんな世界が広がる。

やさしい死神


2010年04月29日 読了
 「死神にやられた」
朦朧とした意識でそう言って、師匠が昏倒した。

 今回も落語と絡めた話が5編。
編集長・牧の読みは相変わらずだけど、消してホームズではない。主人公の緑を導く役に徹していて、読者にも考えさせながら進む。

 なじみのない落語の内容にも、いつしか興味がわくが、落語の舞台となる時代が違うので、「落ち」がいまいち理解できない話も、、、時々ある。

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七度狐


2010年04月17日 読了
 落語誌の編集者になって1年。緑は、静岡で行われる春華亭古秋一門会の襲名口演に立ち会う。

 今回も天才的な洞察力を持つ編集長・牧が予言めいた言葉を綴り、ほぼ終盤に至るまで声だけの登場となるのに存在感がある。

 そしてネタになった「七度狐」を全く知らなくても少しづつ混ざる解説でするりと馴染め、取り込まれる。むしろ、長編なので落語にじっくり浸れた。

 都合のいい進み具合もあったかもしれないけど、肝となった「古秋」の名前や、最後のうすら寒い執念までもが、気持ちよく残った。

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ブラックペアン1988


2010年04月11日 読了
 東城大学病院に来たばかりの新米医師・世良が直面する大学病院の日々。

 若き日の高階先生の活躍が見れる。そしてインターンとしてやってくる田口と速水。
 医療に全く関係ない本として出ている「黄金地球儀」の話もちょっと絡み、知っていればほくそ笑むことができる。

 ちょっと下火になっていた作者への興味を、またしっかりと掴みとられた気分。

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ジェネラル・ルージュの凱旋


2010年03月21日 読了
 「血まみれ将軍(ジェネラル・ルージュ)」の異名をとる救命救急センター部長・速水。
 彼の収賄の内部告発文がリスクマネジメント委員会委員長の田口に届けられる。

 前作「ナイチンゲールの沈黙」と同時に起こった出来事であり、同じシーンも含まれている。そのため既視感に何度か襲われる。

 田口先生、この時こんなに多忙だったんだ。。。でも、こっちの方が断然面白い。

 例によって白鳥は後半になってようやく顔を出す。今度は部下の姫宮くんも登場。シリーズものがだんだん面白くなって来るのは珍しい。

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日本人の知らない日本語2


2010年02月28日 読了
 日本語学校の先生が、外国人の生徒たちと日々繰り広げる誤解と笑い。

 生まれて此の方、ほとんど日本語しか使えたことのない私でもやっぱり知らない言葉は多くて、、、。
 そんな日本語が、「こんな発想もできたのか!」と思うような驚きでいっぱいになる本。

 こうゆう「勉強」ならちょっとは知識になるかなー。でもやっぱり普段使わない言葉はすぐ忘れちゃうんだろうな・・・。

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リライブ


2010年02月11日 読了
 獏。悪夢を食べるモノ。

 バク。思い出を食むもの。。。

 選択しなかったもう一つの路。人生の岐路まで巻き戻ってやり直すことができるかわりに、選んで生きてきた人生の思い出をバクがもらう。

 コミックでいえば松本洋子の「闇は集う」的な設定。
短編集なので、2作目で「また同じか」と思ってしまう。
 でも読んでいくうちに、小路幸也の本領が発揮されてどんどん取り込まれていった。

 必ず織りこまれている哀しみが後を引く。

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胡蝶の失くし物―僕僕先生


2010年02月01日 読了
 旅の道連れが増え、ますます賑やかに豪快に。

 キャラクターは相変わらず深刻な心を抱え、強い警戒心を持ちながらも軽やかに僕僕の手中にはまる。

 仲間が増えたせいで大っぴらになれないのか、甘やかな僕僕と王弁の絡みがほとんど見られなくなったのが残念。

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陰日向に咲く


2010年01月17日 読了
 短編集。世間の評価は知っていたけれど全く興味がなかった。。。
でも、思いのほかしっかり読んでしまった。大槻ケンヂの本に似ている。

 どうしようもない奴らの思いがちゃんと伝わってきた。

 ただ、始めのほうはよく考えられていると思ったけれど、最後に向かうにつれ少しづつ雑になっている感じがした。

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さよなら妖精


2010年01月16日 読了
 雨の日、行く当てをなくした少女と出会った。仲間とともに彼女と過ごした2カ月間の物語。

 所々で起こる小さな謎を解きつつ、日本文化や東欧の情勢にも触れ、私はがいままであまり手に取ってこなかった作風でおもしろかった。

 主人公より謎の少女より、太刀洗の存在が一番強く輝いていた。

 ただ、主人公が1年後に思い切った行動に出ようとする心の動きがいまいち伝わってこなかったため、全体的に曖昧な印象のまま終わったのが残念。タイトルにも同様の感想。