2010年03月27日 読了
一億円、ほしくない?
そう言われてしぶしぶ乗った話は、人気のなくなった水族館から、かつてバブル時代に作られた黄金の地球儀を盗み出すこと。
ひどく大雑把な計画に見えて、おとぎ話のように進むけれど、最後はいろんな個々の陰謀が重なり合ってうまく作用していたことが分かる。
バチスタでの白鳥に当たる人物が、最後に種明かしをしてくれる。インパクトはあまりないけど、よく考えられている。
|
読書と手芸の記録
2010年03月27日 読了
一億円、ほしくない?
そう言われてしぶしぶ乗った話は、人気のなくなった水族館から、かつてバブル時代に作られた黄金の地球儀を盗み出すこと。
ひどく大雑把な計画に見えて、おとぎ話のように進むけれど、最後はいろんな個々の陰謀が重なり合ってうまく作用していたことが分かる。
バチスタでの白鳥に当たる人物が、最後に種明かしをしてくれる。インパクトはあまりないけど、よく考えられている。
|
2010年03月26日 読了
ホストの大和は、顔はいいのにヘルプにくらいしかつけないほど口が悪くて喧嘩っ早い。
そんな大和の仕事場に、小学生が尋ねてきた。ホストクラブに・・・
忘れられない過去の汚点。たったひとつの思い出。
小学生の進が夏休みの間「家出」してきたためにホストをクビになって、宅配便の仕事を始めた大和と進の話。
元ヤンキーで、家出の末拾われたところがホストで、愚痴も悪口もたっぷりで。なのに明るい。
子供をちゃんとしかれる人はすごい。ただ怒るんじゃなくて、納得させて本気で「ごめんなさい」と言わせる。
そして女ごころにも気づいたら、そりゃぁもう。
どうにでもして
ライトノベルのようにするっと読めるけどちゃんと濃い。
この人の本は出すたびに進化している。どんどんおもしろくなる。
表紙とタイトルがあまりにも陳腐で油断した。
|
2010年03月24日 読了
やっと入った憧れの出版会社で、配属されたのは「季刊落語」。
そのうえチームは上司と二人きり。
しかしその上司の洞察力は尊敬に値する。少しの情報とフットワークの軽さでほとんどの事は見抜いてしまう。
落語の話はよくわからないと思っていたけれど、新人教育のついでにちゃんと軽い解説もしてくれて、少しも「置き去り」にされている気がしない。
表紙の雰囲気そのままの世界。
|
2010年03月21日 読了
月に1度だけの観測日にのみ活動している天文部の4人は、いろんんなものと戦っている。
それぞれの季節で、それぞれが戦う物語が、気持ちのいい距離感で綴られる。
月に1度しか会わない仲間、沈黙が流れ、一人になって星を眺める。心地よい距離。
坂本司の本の中で一番心に残る作品だった。
星のようにあってほしい人が、私にも確かにいる。
|
2010年03月21日 読了
「血まみれ将軍(ジェネラル・ルージュ)」の異名をとる救命救急センター部長・速水。
彼の収賄の内部告発文がリスクマネジメント委員会委員長の田口に届けられる。
前作「ナイチンゲールの沈黙」と同時に起こった出来事であり、同じシーンも含まれている。そのため既視感に何度か襲われる。
田口先生、この時こんなに多忙だったんだ。。。でも、こっちの方が断然面白い。
例によって白鳥は後半になってようやく顔を出す。今度は部下の姫宮くんも登場。シリーズものがだんだん面白くなって来るのは珍しい。
|
2010年03月20日 読了
険しい山に住み、盟約を結ぶ者を待っている、精霊。
少年の姿をした精霊ジュンガのもとに来た人間は、人に優れた英雄か、魔を払う聖者か。
ジュンガは、盟約によって築かれた絆によって幸せな日々を過ごしていた。しかし、突如現れた光の術師が相棒の「美しい魂」を奪っていってしまった。変わり果てた相棒に失望しつつ、それでも側にいて取り戻す決意を固める。
高原に住む者として高原を守るために旅に出る二人の話。
やっぱりこの人は「ヒトではない者」と「ヒト」との話が好きなのかもしれない。
かなり読みごたえがあった。
|
2010年03月15日 読了
みんなの顔が「のっぺらぼう」に見える。
息子がそう言った時、父は思い出した。
兄に、会わなきゃ。
20年も姿を隠していた兄。その兄が語る「あちら側」と「こちら側」の人たちの話。
昔の日本の、ちょっと変わった町で起こった出来事は、とてもシュール。小路作品の中ではちょっと後味が薄いけれど、兄の語る口調が優しいので最後まで穏やかだった。
|
2010年03月13日 読了
内閣情報調査室の磯貝調査官は視察で沖縄を訪れた。
そこから広がる知事補佐官との出会い、アメリカ海兵隊の少佐、そして台湾マフィア。
沖縄の、本土やアメリカに対する意識を根底にした、あらゆるものへの駆け引き。
もちろん最後は大事となり、鮮やかな見せ場もあるため2時間ドラマ並みに盛り上がる。
タイトル通りの熱い風一陣といった感じ。
|
2010年03月12日 読了
フランス菓子店で働く新人。ある朝、出勤するとそこには、見事な技で飴細工を作る一人の見知らぬ男性がいた。
自分についての記憶をなくし、ここは自分の店だと言い張る男・恭也。彼は誰!
恋愛小説かと思ったらそうではなく、終始彼の記憶とフランス菓子の話で進む。恭也は主要人物として魅力的だけど、主人公の夏織はちっとも魅力的じゃない。
菓子作りの描写が要所要所にあるから、想像がいくらでも膨らむ。でも専門用語がわからないのでどんなものかは全くの妄想。。。
|
2010年03月07日 読了
F-15イーグルのパイロット辰巳彰一尉。黒い雲に吸い込まれたと思った直後、気付いたらF-51オラクルと呼ばれる機体を操縦していた。
上空のコックピットの中で突然30年の月日が流れる。
様々な伏線が広がり、どこで繋がるかどう収束するかと思い読んでいたら、残り30ページとなるまで山場が来ない。なんだか投げ出されたような終わり方で少しも納得いかない。
中途半端のまま置き去りにされた出来事もあって、エピローグがそのまま抜け落ちたよう。
空での攻防はかなり丁寧に書いてあるのに、ストーリーとしては雑すぎてテスト飛行のシュミレーションを見させられただけといった感じ。
|