2013年02月17日 読了
破天荒な医師、天城を迎えて1年。仕事はたった一つの公開手術だけ。
天城はただ、スリジエ・ハートセンターの設立を望んでいた。
「桜宮に、桜並木を作る」
それに関係して、東城大学医学部では様々な政治的取引と裏工作が行われていた。
世良と天城のコンビがここで終わる。
世良と花房の関係や、速水の伝説が始まる瞬間を含んでいるので、バチスタシリーズのいろんな場面がよみがえる。
年表がほしい!
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読書と編み物の記録
2013年02月17日 読了
破天荒な医師、天城を迎えて1年。仕事はたった一つの公開手術だけ。
天城はただ、スリジエ・ハートセンターの設立を望んでいた。
「桜宮に、桜並木を作る」
それに関係して、東城大学医学部では様々な政治的取引と裏工作が行われていた。
世良と天城のコンビがここで終わる。
世良と花房の関係や、速水の伝説が始まる瞬間を含んでいるので、バチスタシリーズのいろんな場面がよみがえる。
年表がほしい!
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2013年02月15日 読了
両親に虐待され、抱きしめられることもないまま育った北斗が、初めて人を信じた。
しかし、その人は死んでしまった。里親となってくれていたその人が詐欺にあっていたと知り、北斗は復習を決意する。
里親の母が死んだ時、北斗の心も死んだ。
珍しい、石田衣良の長編。
ブルータワーが面白かったので期待した。虐待されて成長し、里親のところに行くまでの話が想像以上に辛かったが、長編のわりにずっと浅いところをもぐっているような感じで、うんざりするところも多かった。
でも北斗の思いは沁みるようにずっと残る。
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2013年02月11日 読了
目を瞑ると、闇の中に白く影がうかぶ。「おいちちゃん、助けて・・・」
江戸深川の菖蒲長屋で、医者である父・松庵の手伝いをしているおいち。
ある日、おいちの幼馴染のおふねが、大量の血を流し、死んだ。
友の死を不審に思うおいちの前に現れる、1人の青年。
おいちの不思議な力は、勘といってもいいくらい小さなものだけど、それは必ず事実に導く。女の身で医者になりたいと思うおいちの話の、第2段だったようだ。
簡単な文で読みやすく、分かりやすい。
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2013年02月11日 読了
再構築された世界では、バソンの妻のピキは惨殺され、呆然とするバソンは連れ去られる。滅亡したはずの隋の軍隊にいるのは、絶海だった。
千里たちは、ゆがめられた世界を戻すため、五獄図を再生する道を選ぶ。
戦うばかりの千里に、少しずつ知恵を授ける周りの者たち。
ゆがめられた世界ではあるけど、今そこには人が住み、営みを続けている。それを覆すということは、今生きている者たちはどうなる?
葛藤と戦い、結論を出せずにいる千里に周りは。。
千里伝完結編。何かを選びとるのは、誰にとっても辛い。
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2013年02月10日 読了
第4回角川春樹小説賞受賞作。
昔、自分の不注意から幼い弟を拐われてから、黒川夏野は剣の道を極め、弟を探す旅に出る。
幼児誘拐が頻発するという晃瑠に着き、兄の幼馴染のところに身を寄せながら弟を探すうち、安良国最強の剣士と謳われる鷺沢恭一郎と、妖の少年と出会う。
女だてらに剣士となった夏野が、自らの身に妖の目を宿し、それゆえに視えるようになった影を追いながら、事実を追い求める。
ファンタジーでもあり、昔話のような残酷さもあり、途中で目を離すとおいていかれそうなスピード感で、一息で読み切った。
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2013年02月09日 読了
リストラ請負人・村上真介が、業績の悪くなった企業から依頼されて人員整理のお手伝い。
大きな会社でも首にしたい人はいる。面接で誘導しながら、それぞれの人生を問いかける真介。
バブルの頃に無節操に採用したオジサンたちや、これ以上出世の道はないといわれるCA達の人生を聞いているうち、自分もこの先どう生きていこうかと考える。
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2013年02月08日 読了
小蔵屋のお草さん、3作目。
小蔵屋で売っている珈琲豆を仕入れているミトモ珈琲商会が代替わりをすることになり、仕入れに不安を感じたお草さんは、社長に相談に行く。
さらにお草さんの住む町で、産地偽装の疑いのあるスーパーを取材する萩尾と関わる。萩尾の民俗学の師匠である勅使河原先生と、その娘の美容師・ミナホとも言葉を交わすうち、解決できない過去を知り、やりきれないお草さんは若い人たちの心を少しでも軽くしようと立ち回るが。
お草さんの言葉や行動には、今まで通りの思いやりと戒めがあるが、お草さんが気付いたり考えたりしていることに関しては、いまいち納得できないくらいとっぴょうしもなく進む。根拠やきっかけをもう少し丁寧に書いてあれば、きっとお草さんの思いは通じたのに、と思う場面も多くて、残念だった。
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2013年02月04日 読了
シリーズ第3段。自分の名前の人物が死んだ。
新聞で見つけたかつて自分だったその名前の人物に、少しの興味も持たない奴はいないはず。
気まぐれにそいつが死んだ場所をふらついていたために、勉は出会いたくもない人と出会うことになる。
前作でメンバーが死に解散したはずだったチームが、新しいメンバーを招き入れていて、今度はつまらない問題を投げつけられる。
関わるうちに関係者が増え、問題が増え、甘えた若者に振り回される羽目になる勉。
若者たちの、考えのないその場限りの思いつきな行動に腹を立てていたはずの勉が、最後はやけ気味に同じような事をしてしまうのは、もうすべて断ち切りたかったからか。
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2013年02月01日 読了
『幕末銃姫伝』に続く山本八重の半生。
会津開城から、八重の長い戦いが終わるまで。
作中何度も出てくる「報復」という言葉が、八重のすべての思いを包んでいる。
何度もすれ違いながらどうしても届かない恋も、切なさを増長させた。
兄の覚馬があまりにも優秀すぎるような気もしたが、それはそれで史実なのだろう。
参考資料の多さに驚く。
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2013年01月30日 読了
江戸川乱歩賞の第一号。
ヤセでノッポの植物学者・雄太郎と、太めでチビの音大生・悦子が、間借りをしているところの近くで事件が起こり、警察よりも早く犯人にたどり着く。
推理は大抵兄のほうで、妹はちょこまかと口出しをする。
高感度No.1の探偵と言われているが、やたら長い作品で、かといって削れるような部分もなく、不思議な存在感を持つ。
手掛かりはすべて作中に出すという、「後だし」がないせいか、すっきり読めた。
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