狐憑きの娘 浪人左門あやかし指南


2013年03月14日 読了
 川辺で釣りをしていた少年たちが侍の屍体を見つけ、その後子供たちは次々と死んでしまう。
その頃、手習塾の娘は狐憑きだという噂も流れており、さらに夜中にうろつく不審な影にも悩まされていた手習塾の師匠は、左門に相談を持ちかけた。
 剣術師範候補の甚十郎に手伝わせて張り込みを始めた左門。

 ひどい怖がりのためこれまでいくつもの縁談を断られてきた甚十郎も、少しずつ頼もしい面が見られるようになってきた。見合い相手まで見つかり、これで彼も一人前かと思い始めていたら、やっぱりそうはいかなかった。
 素直に怖がる甚十郎と、それを笑いながらも認めている周り者のたちの、あんまり怖くない幽霊話。
 このシリーズはいつもわくわくする。幽霊話なのに。

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無縁塚 浪人左門あやかし指南


2013年03月12日 読了
 ひっそりと佇む百姓屋に、幽霊が出るという噂が左門のところに入ってくる。
そこは人死にが続き、持ち主が変わっても次々と死体が転がるので幽霊屋敷と評判だった。
 いつものように様子を見に行った左門は、「あれは本物だ。近づかないほうがいい」と言って興味を亡くしたようだったが。

 幽霊屋敷を買おうとする者たちに、一晩泊まって噂は本当かどうか確かめてほしいと依頼されてしまう鉄之助と甚十郎。
いつもなら生き生きと顔を突っ込む左門がいないせいで、とんだ災難に見舞われるのだが、左門は本当はいろいろと気付いたらしい。

 人物の関係図がややこしいのでたびたび戻りながら読むことになったが、却って疑問や時間のずれなどを考えることができて楽しく読めた。
左門は頼もしく、甚十郎は成長が楽しみ。

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お友だちからお願いします


2013年03月09日 読了
 あちこちの雑誌や新聞に書いていたコラムを集めたエッセイ集。
一つ一つが短めで、ちょっとした空き時間にも気兼ねなく読める。

 しかし、自分のことを「私」と言ったり「俺」と言ったり、いちいちまとまりがないので、三浦しをんという人の人物像が一貫しないためすごくわかりにくい。

 エッセイに共感できるかどうかは、小説に共感できる率より確実に少ない。
私にとってはほとんど素通りだった。

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バチカン奇跡調査官 天使と悪魔のゲーム


2013年03月07日 読了
 ロベルトはその日、図書館へ向かう。毎年、その日には必ず。
話すことができず、神を信じることもできず、「問題のある子」として周囲から疎んじられていたロベルトに、一つの出会いが訪れる。

 平賀とロベルトの出会い、二人の上司であるサウロと、サポート役のローレン、そしてジュリア司祭、それぞれの過去。

 今回は平賀たちの活躍は語られず、短編。

 ロベルトがより愛しく感じられ、ローレンは微笑ましく、サウロの偉大さに納得し、ジュリアの生い立ちが気になってしょうがない。
 そして悪魔の子の名前も。。。

江戸の茶碗 まっくら長屋騒動記


2013年03月05日 読了
 今にも倒れそうなおんぼろ長屋に住む、貧乏人たちの日常。
大店をだまし取られた兄妹、身長差のありすぎる駕籠かき、下手と評判のあんま。
長屋に住む、何かと気になる人たちがちょっと困ったことになった時、日がな一日飲んだくれている浪人が知恵と力を貸す。

 近頃急に江戸ものの小説が増えた気がしていたら、その通りのようで。
これもありふれた貧乏話だけど、強面の浪人がとても味な役で面白かった。
落ちぶれても武士の赤目勘兵衛の粋な立ち回りが、ほっこりとする良い読後感を残す。

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さくら聖・咲く


2013年03月03日 読了
 元大物政治家・大堂剛の事務所で働いている聖は、就職活動を始める。
しかしエントリーしてもいない会社から内定通知が来たり、半年のインターンが2カ月でクビになったりと、おかしなことがとまらない。

 シリーズ2巻目。
食わせ者の大堂は、面倒なことは嫌いだが暇も嫌いで、周りの物を振り回す。
それに鍛えられている聖は、めったなことでは負けない。
今回も、聖を困らせようとする者たちには必ず意趣返しをする。
その強さと臨機応変が頼もしい。

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代々木Love&Hateパーク


2013年03月01日 読了
 代々木公園にある都市伝説。
3月の最後の日曜は、誰かが姿を消し、代わりに誰かが現れる。

 楽しげな表紙とは裏腹に、どんどん人が死んでいくホラーな内容におののきつつ、それでもなんだかコメディのようで、さらさらと読める。
複雑に入り組んだ人間関係が、最後はひらりと解けるのではと思っていたが、きちんと伝説通りになった。
しかも後味は悪くない。

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百物語 浪人左門あやかし指南


2013年02月26日 読了
 人一倍怖がりの甚十郎は、百物語へ参加しろと兄弟子から言われる。
断ることもできず嫌々参加した甚十郎だが、その会で聞いた話が大きな陰謀へと変わる。

 甚十郎が巻き込まれたやっかいごとは、百物語に少しずつちりばめられた幽霊話の中でまとまっていく。
そしてそれはまた見事に左門へと繋がっていった。
最後は、ただ剣が強くて大酒飲みに見える左門の中に、かつて若者衆と共に大名家の家老と戦った姿が少しだけ見えた。

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掘割で笑う女 浪人左門あやかし指南


2013年02月25日 読了
 城下の掘割で若い女の幽霊を見たという普請方の男が、まもなく病で死んだ。さらに、女の姿を見た者は必ず死ぬという噂が囁かれる。
ところがそれは、評判のよくない家老を暗殺するために若い侍たちが流したホラ話だった。

 「あやかし」というから、どんなものが出てくるかと思っていたら、幽霊話だった。
最後にはすべて繋がる幽霊話が、短編として語られる。
浪人の平松左門という男が、幽霊の正体を探りながらアチコチ歩き回るうち、見えてくる政治取引。
 始めの頃はどうも盛り上がらないただのウワサ話が、最後でいきなり引き締まる。
左門に興味が出てきた。

静おばあちゃんにおまかせ


2013年02月22日 読了
 警視庁捜査一課の葛城公彦。サラリーマンにしか見えないような頼りない見た目の葛城と、女子大生の円が鮮やかに事件を解決する。
しかし本当は、円のおばあちゃんである静が一番の探偵だった。

 少しの情報と確実な現場の観察で、さらりと事件を解いてしまう静おばあちゃん。
安楽椅子探偵といったことろだが、最後は予想もしてなかった展開。
でも思えばこの作家は、それまでのすべてを台無しに壊してしまう結末が多い。
そのせいでほとんどはがっかりする。

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