暗黒星雲のかなたに


2018年09月29日 読了
 地球の大学に留学していたネフェロス星の貴族の息子・バイロンは、突然父を反逆者として殺され、バイロン自身も狙われる。
惑星ローディアに逃げたバイロンは、政略結婚されようとしていたローディア総督の娘アーテミシアと共に追われる身となる。

 今でこそありふれた設定と言ってもいいが、私が生まれる前に発行された本ということを思えば少しも古臭くない分、かえって新鮮に感じる。
宇宙をまたにかけた逃亡の末、知恵によって身を守り、裏切り者を突き止める。
宇宙船の設定や政治に関しては興味をそそるものだったし、充分楽しめた。

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ロスト・シンボル 下


2018年09月17日 読了
 今夜中に謎を解かないと旧友の命がない。
ラングドンはピーターの妹キャサリンと、フリーメイソン最後の謎を解こうと知恵を絞る。

 謎や隠し文字、隠喩や暗号といった、興味をそそることがたくさん出てきて面白いが、やはり宗教的な蘊蓄にはついていけない。
ちょっとした疑問が湧いても、そのせいで知らなくてもいいやと投げやりになってしまう。
そのため大げさに走り回ったのにこんなものだったのかと思わずにはいられない。

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任侠浴場


2018年09月01日 読了
 東京のとある組、オヤジが妙に人たらしなため、人望も人脈も大きく広い。
そんなオヤジのところに、またある悩みが持ち込まれた。

 刑事モノで登場する甘糟もまたちょっと顔を出したり、ほわっと笑わせるところもある。
ヤクザのくせにつぶれかけた銭湯を立て直すために働くという変わった話だけど、あまり現実離れしていないせいか、さらさらと気持ちよく読める。
ちょっと都合がよすぎるくらいに進むところはいつもの通り。

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茜の茶碗: 裏用心棒譚


2018年07月26日 読了
 将軍家より下賜された茜の茶碗が盗まれた。それを取り戻すため、藩命により浪人となった小宮山は、盗賊の用心棒となった。
しかし藩からの理不尽な要求と扱いに、小宮山は次第に心を削り取られていくような気持になっていた。

 自らの身を落としてでも藩命を遂げようとする小宮山と、仲間とは言え悪事を生業とする盗人たちは、どんな縁を結んでいくのか。
エライ人たちと庶民との差、そして人となりの差をくっきりと分けていて解り易く、そしてスッキリ解決もする。
すらすら読めるし終わりも良いけど、強い印象は残らない。

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赤銅の魔女 (紐結びの魔道師1)


2018年07月17日 読了
 湖畔の館で穏やかに暮らしていた紐結びの魔道師リクエンシス。
そこへ、隣国イスリル襲来の知らせが入り、館を捨てて逃げ出すことに。
だがそこへ、悪意に満ちたイスリルの魔道師が、館の庭に眠る邪悪な魂を呼び覚ました。

 紐結びの魔導士がシリーズに。
魔道師でも魔女でも、いろんなバリエーションがあるけど、紐を結び、結び目や紐の撚り方で力を出す魔術は新鮮。
そんな魔道師リクエンシスの、封印していた自分の運命との戦いが始まる。
まだ導入部で、ようやく登場人物がそろったという感じ。
残酷な部分も多いけど、どんどん引き込まれていく。
リクエンシスが紡ぎだす魔術も、この先どんなものが出てくるのか楽しみ。

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葬偽屋に涙はいらない: 高浜セレナと4つの煩悩


2018年07月12日 読了
 偽りの葬儀をして、周りの人間がどうなるのか、何をするのかを知る。
依頼人の理由はそれぞれで、その本心を知り、演出を施す。

 前作も読んだのだが、さっぱり内容を思い出せない。
それなりに濃いキャラクター達だし、面白い趣向で印象深いはずなのに。

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ネメシス〈下〉


2018年07月10日 読了
 太陽にまっすぐ近づいているネメシス。
それは5000年後だが、地球人はすぐにでも避難を始めなければならない。
そんな時、そのネメシスに厄介払いされたユージニアとマルレイネには、不思議なことが起こっていた。

 星に呼ばれたマルレイネ。
そこでやっと自分の居場所を見つけたと思ったのに、突然地球から父がやってくる。
地球にも父にも関心のないマルレイネは、それでも地球を救うために自分のできることをする。
その解決法はいまでは普通になっているけど、これが書かれた当時、世間はどんな感想を持ったのだろう。
今になっても実現されていない技術がたくさん盛り込まれていて、想像力を駆り立てる。

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16品の殺人メニュー


2018年06月30日 読了
 前菜、スープ、メインからデザートまで、料理のフルコースを殺人メニューの献立で集めた一冊。

 アシモフだけじゃなく、いろんな作家たちの紹介と共に並んだ殺人メニューは、訳者が同じせいか、作者が違うという気がしない。
そして同じような手口もあったりする。
どれかが印象に残るというよりは、すべて通して一連のドラマのよう。
気になる作家を今後探してみよう。

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KZ’Deep File 青い真珠は知っている


2018年06月13日 読了
 伊勢志摩の海で30年まえ、青い真珠と1人の海女が消えた。
それ以来、海女の娘は口をきかず、ただ波間に漂う花弁のように暮らしていた。
 
 夏の間、海洋研究所へ行くことになった和彦と、なぜか集まってきた上杉と若武も合流し、消えた真珠と事件の謎を解く決意をする。

 少女の気持ちはわかったからもう少女小説は書かないと言った作者が、今度は少年の気持ちをわかろうとしているのか。
ちょっとこっぱずかしいような出来事もあるが、少年が対象だからだろう。
事件を推理するというより執念で解決した。

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放課後ひとり同盟


2018年06月13日 読了
 友人と二人、デパートの屋上でひたすら空を蹴り上げる男に会いに行く。
その男は、空から降って来る「不幸」を落とさないよう、空に返すために蹴っているのだそうだ。

 人生に悩む10代の生徒たちを主人公にした悩みを、それぞれの視点からちょっと滑稽な表現で描く。
どんなに切ないことでも、悩みも、まるでたいしたことがないという口調で描かれるが、何度も繰り返されることで重大さが協調される。
彼らの繋がりを考えながら読むと楽しい。

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放課後ひとり同盟 [ 小嶋 陽太郎 ]
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