2019年04月06日 読了
動物が好きな私。妻はそれを知って愛らしい小動物をいくつも飼うようになった。しかしいつしか私は衝動を抑えられなくなり、やがて妻にまで暴力を振るうようになった。
言わずと知れた「黒猫」。何度か読んだはずなのにいつも最後までそれを忘れていて、結末まで読んでは、あぁそうだったと思いだす。
タイトルの2作品と、「早すぎた埋葬」しか印象に残らない。
160年も昔に罹れた物語でも、今なお新鮮に読めるのはすごい。
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読書と手芸の記録
2019年04月06日 読了
動物が好きな私。妻はそれを知って愛らしい小動物をいくつも飼うようになった。しかしいつしか私は衝動を抑えられなくなり、やがて妻にまで暴力を振るうようになった。
言わずと知れた「黒猫」。何度か読んだはずなのにいつも最後までそれを忘れていて、結末まで読んでは、あぁそうだったと思いだす。
タイトルの2作品と、「早すぎた埋葬」しか印象に残らない。
160年も昔に罹れた物語でも、今なお新鮮に読めるのはすごい。
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2019年03月19日 読了
大規模な希少動植物密売ルートの捜査中、マリアと漣は不動産王ヒュー・サンドフォードが関係していることを掴む。
サンドフォート所有のタワーに乗り込んだマリアは、そこで爆発事故に巻き込まれてしまう。
シリーズ1作目がとても印象深かったため、2作目の記憶がない。
それらに登場したジェリーフィッシュや青いバラも登場するのに、バラの印象がないのが残念だった。
今回も予想を裏切られるが、グラスバードがアルビノだったとか遺伝子操作で特殊な外見だったとかの、もうちょっと「特別」な感じがほしかった。
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2019年03月14日 読了
シリーズ完結となる本作。
娼夫として7年が過ぎ、リョウはこれからの事を考え始めていた。
女性の複雑さにはまだ追いつかないと思いながら、これまでの印象的な客たちの話をいくつか。
様々な趣向の客たちの心を見つけてきたリョウだが、初めて自分の家族を作る決心もする。
娼夫の話だけど、内容はとても精神的。
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2019年03月12日 読了
後宮の奥には、「烏妃」と呼ばれる特別な妃が住んでいる。
普通の妃とは違い、夜伽はせず、対価と引き換えに望みをかなえるという。
ある夜、帝である高峻が烏妃の下へ訪れ、翡翠の耳飾りに憑いた鬼の正体を知りたいと言う。
幼くして連れてこられ、誰からも顧みられず、侍女もおらず、ただ一人の碑女だけを使うその妃。
その少女は例にもれず孤独で、不思議な話し方で、人を寄せ付けない。
『図書館の魔女』に似た雰囲気。
それぞれの背景もそれ相応に過酷で、意外性はないが期待通りの世界に入り込める。
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2019年03月09日 読了
刑事だった神西明は、9年前に相棒を殺され、怒りの余り5人を殺して逃げた。
すでに戸籍では死んだことになっている神西に、かつての上司から「女麻薬取締官が潜入捜査をする人物を探している」と言われて、協力することに。
薬物の売人に信用され、やがて元締めにたどり着いた頃、予想外の裏切りに合う。
結論はありふれたものだったが、そこまでは引き込まれる。
ただ、気にかけるべき人物は他に幾人かいるにもかかわらず、不思議な物言いをしていた伊佐のことは曖昧なままだったのが、気になってしょうがない。
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2019年02月28日 読了
私鉄と銀行のシステムが次々にダウンした。次いで殺人事件まで起こる。
それぞれは違う管轄だが、大森署署長の竜崎はどこか落ち着かない。
筋を通せと横やりが入りつつも、気になったことは管轄など気にしない竜崎は、調べを続ける。
勘が働いたか、竜崎の嗅覚は最初から二つを繋げるそぶりがあった。
原理原則を重んじ、顔を立てるとか建前とかを無駄だと考えて行動する竜崎に、周りは少しずつ感化されていく。
今回は降格人事の禊や終わるという噂で動揺しつつも、いつも通りの淡々とした展開できちんと解決させる。
このシリーズは珍しく、前作をあまり覚えていないままでも楽しめる。
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2019年02月25日 読了
春、帝の寵愛を受けた梨壺の更衣が出産のため実家に戻ってきていた。
今にも生まれようという時、宗孝は不思議な怪異を体験する。
その後生まれたのは皇女。機嫌をよくした弘徽殿の女御から、皇子から引き離そうと十二の姉に縁談を持ちこむ。
春爛漫の綺麗な表紙に心が躍る。
美しい話の裏には暗躍する人もいて、なにやら気持ちも上向いた宗孝の隣では息苦しい世界を覗いた中将がいる。
初草も、宗孝も、彼の姉たちも、それぞれに幸せを呼び込んでいる季節に一人だけ、辛い思い出に苦しみ、そしてこれからの苦悩を受け止める覚悟をした中将との対比がくっきり。
今までのように、ただ気の置けない友と外歩きを楽しめる雰囲気ではなくなってきた。
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2019年02月11日 読了
第144回(平成22年度下半期) 直木賞受賞
明治に入り、武士の地位は消えてなくなる。そんな武士の出を隠し、根津遊郭で働いている定九郎は、馬の合わない上司の下でいつまでも昇格しないまま、鬱々としていた。
そんな時、うっかり登楼させ酔うと声をかけた人物は渡世人で、職を張っている花魁を引き抜こうとしている奴だった。
常に身を低くして生きる者が、突然我に返ったように動き出す時は、得てして失敗に終わる。その結果、一人の花魁を死に追いやったとして定九郎はますます内にこもるようになる。
そんな主人公が起こす大事は、貯めていたエネルギーをすべて吐き出すかのように周囲に大きな波紋を広げるが、終始どこか水の底から眺めるような閉塞感が付きまとっていて暗い。
エネルギーを発しているのはたった一人の花魁だけで、重苦しい雰囲気のシーンばかり。
それでも充分読みごたえがある本だった。
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2019年02月07日 読了
横須賀のマンションに住む独身の鶴川佑作。
仲良くしている同じマンションの住人の雑誌を返そうと家を訪ねると、返事もなく、鍵も開いていた。
心配して中を覗くと、死体があった。
マンションの住人同士の関係が様々で面白い。
好感を持っていた人が、他人にとっては気味の悪い人だったりすると知って怖くもなるが、すべては最後にスッキリ解決するので後味は悪くない。
書店シリーズは都合のいい出来事ばかりで飽きていたが、こちらは楽しかった。
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2019年01月19日 読了
50年前に建ったこの百貨店は、エレベーターが手動だったり、屋上にはメリーゴーランドや観覧車もある。
そして「魔法を使う白い子猫」の伝説。
古くても街の人々に愛されている百貨店を舞台に、そこで働く人と客たちのほのぼのとした物語。
どれもが優しく穏やかで、ファンタジーでメルヘンな世界が広がる。
ふわふわした感覚でずっといられる、夢をみたような気分。
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