2018年10月05日 読了
旗本のところへ使いに出たお咲は、そこで恐ろしい話を聞く。
「市中引廻し」の刑となった女の身代わりを受けることになったという。
あまりの羞恥に気も失わんばかりだったお咲だが、塗られた薬のせいもあり、しだいに箍が外れていく。
図書館で借りた本には表紙がついていなかった。
不思議に思いつつも読み始め、もしかしたらあまりの刺激の強さに外されたのではないかと思っていたら、少しもおかしなところはない様子。
女の受ける刑が、女であれば少し違和感を抱くだろうと思う。
でもその様子や気持ちの移り変わりが丁寧に書かれていたためにそれほど嫌悪感は生まれない。
その事件に絡んだ女たちがそれぞれ貫いた人生が、熱に浮かされたように描かれていた。
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