毒草師 白蛇の洗礼


2014年08月25日 読了
 茶席で突然、客の一人が毒で死んだ。
しかし何の毒かもわからず、その方法もわからない。
 調査を始めた編集者の西田は、容疑者となった美女に心惹かれつつ謎を追う。

 今度は千利休を持ち出して歴史考察を行っているが、毒草師である御名形史紋に相談を持ちかけた西田の葛藤と御名形の取り澄ました言動、さらには話の流れや結末の構造まで、そっくり前作と同じ作り。
シリーズというよりバージョン違い。

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あぽわずらい あぽやん3


2014年08月22日 読了
 空港で働く「あぽやん」たちに危機!
親会社の危機に伴い人員削減が行われ、成田空港所も閉鎖されることになった。
そのための準備に追われる遠藤達。

 やがて遠藤は、空港へ足が向かなくなる。

 このところの航空業界をなぞった筋書で解り易い。
でも短編ゆえに勢いがなく、物足りなかった。
遠藤の勝負のかけ方も、後先考えない勝負のようでカッコよく見えるはずもない。

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知の孤島


2014年08月20日 読了
「知は金なり」というスローガンを持つエリート大学。
東京湾に浮かぶ孤島は、島全体が一つの大学だった。
独特で奇妙な決まりが多いその島では、ほぼ月に一度の割合で自殺者が出ていた。

 ある学生の自殺死体が消えたという知らせを受けて島に入った二人の刑事と、大学側を代表として対応する芳村。
ありふれた事件として処理できるはずだったが。

 極端な決まり事が多い大学で、その制度にどこか違和感を感じていた学生たちの考えとは。
近未来の設定だけど、実際今でも起こりそうな話ですんなりと入っていける。
『知』の戦い。

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亡霊ふたり


2014年08月16日 読了
 名探偵になることが夢だという少女と出会った和也は、学校で起こる噂や不思議な出来事の謎を解くために無謀な行動をとる彼女に振り回される。
そして和也のほうは、卒業までに人を殺すと決めていた。

 おかしな二人が出会い、おかしな行動をする。
突拍子もない行動力を発揮する少女にほだされる少年の構図はうんざりするほどよくあるし、行き過ぎて大人に絡まれたあげく見逃してもらうという都合のいい展開。

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毒草師


2014年08月14日 読了
 鬼田山家の先祖が撲殺してしまった一つ目の山羊の呪いか、この家では代々、一つ目の子供を死産する。
 「一つ目の鬼を見た」と言い残して離れに閉じこもり殺された家人の謎を追う雑誌の編集者・西田は、毒草師を名乗る御名形という無愛想な男にヒントをもらう。

 「伊勢物語」になぞらえて鬼田山家の歴史を探る御名形は、見た目通りの変人だけど妙に親切で面白いキャラクター。
タイトルや表紙からは禍々しいイメージを受けるが、御名形は薬学の知識を使って毒殺を防いだり謎を解いたりする探偵役で、読後感は思いのほか良かった。

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名言探偵


2014年08月12日 読了
 弁護士資格は持っているものの、平凡で気も弱く、就職先も決まらなかったために伯父の喫茶店の一角に事務所を構えた兄・ノリ。
イケメンで背も高く頭もいい、しかしシャイなうえに礼儀がなってない甘えん坊で名言オタクの弟・リツ。
 二人してご近所の相談ごとを引き受けるが、弁護士というより便利屋な日々。

 あらゆるジャンルの名言が出てくるが、確信をついているわけではなく、ただ今の状況を表現しているだけ。

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ヨハネスブルグの天使たち


2014年08月10日 読了
 日本製の人形は、もう誰もいないのに自ら耐久試験を繰り返す。
屋上から飛び降りる彼女たち人形はには、意志はあるのか。
 人形が落ちてくる場所で暮らす子供は、その中の1体を捕まえようとする。

 人形を巡り世界の様々な場所で起こる出来事を集めた短編集。
政治や宗教、戦争や言語の問題に詰め寄る作品だと書かれていたが、曖昧すぎてよくわからない。
考えながら読むための本かもしれないが、興味がわかない。。

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手のひら、ひらひら―江戸吉原七色彩


2014年08月07日 読了
 吉原は遊女だけではない。働く男女がたくさんいる。
これから客を取るという娘を一人前にしこむ上ゲ屋、年季を積んだ妓に活を入れる保チ屋など、彼女らを支える者たちに焦点を当てた作品。

 始めはそんな彼らの仕事ぶりが興味を引いだが、だんだん中身がなくなり、読んだそばから忘れるほどの話になる。
吉原の人間関係がのぞけて、彼らのつながりもある短編集だが、読み進めるにつれて興味が薄れていく。

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江戸吉原七色彩 手のひら、ひらひら [ 志川 節子 ]
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オリンピックの身代金


2014年08月05日 読了
 アジア初のオリンピック開催に向けて、国民は浮かれ、東京はどこもかしこも工事中だった。
そんな中、一人の若者が爆発事件を起こす。
しかしその事件は、報道されることはなかった。

 秋田から出てきた大学院生の国男は、出稼ぎで肉体労働をしていた兄の死の連絡を聞いて現場に向かう。そこから国男の運命は大きく波打ち、とうていたどり着くはずのないところへと向かう。

 国男のそれまでの人格から犯人とはとても思えなかったはずなのに、そこへの気持ちの動きがすんなり納得できるほど生々しかった。
いくつか切り替わる視点の中で犯人に一番感情移入してしまい、達成感まで感じてしまう。

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オリンピックの身代金 [ 奥田英朗 ]
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上流階級 富久丸(ふくまる)百貨店外商部


2014年07月31日 読了
 百貨店の外商として働く鮫島静緒。
洋菓子を売るバイトから正社員になった静緒が、上流階級の方々相手に様々なものを売る。
仕事に向かう姿勢と意気込みは『トッカン』と通じるところがあった。

 自分を見つけて導いてくれた葉鳥に対する気持ちや、同僚で同居することになった枡家など、主人公よりもその周りの人が魅力的。
特に枡家のセリフは印象的で心に響いた。

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