まっすぐ編みのカーディガン


使用糸:ハマナカ ソノモノロービング (92)
編み図:太糸あったかニット より
     「まっすぐ編みのカーディガン」345g

神の手 (上)


 元FBI心理分析官ベントンは、収監中の殺人犯の脳を調べることで、殺人犯の心理を知ろうとしていた。
面談のなかで未解決事件の手がかりを得た彼。そして、発見された惨殺死体に残された手形と、手形を付けた女と出会ったルーシー。
それらのつながりは。。

 会話のかみ合わない殺人犯と向き合うのは、さぞストレスのたまることだろう。
スカーペッタの影が薄くなったかわりにマリーノは頑固さが濃くなり、ルーシーは大きな悩みを抱えていて、どんどん混沌としていく。
ルーシーは恋人も仕事の相棒もころころと変え、目まぐるしく移り変わる視点と共に混乱が大きくなる。
いつものようによくわからないままの前半。

痕跡 (下)


 死因不明の少女の口に残っていた微物と、その2週間後にトラクターに轢かれて死んだ成人男性の遺体に残っていた微物が同じものだったことで、ミスでなければ何らかの関連があるとして調べ始めたスカーペッタ。
次第に気づき始める不穏な監視者の元へ、スカーペッタはマリーノとルーシーの手を借りて乗り込んでいく。

 今回はマリーノが大した失敗をやらかす。
そのおかげで得たものはマリーノの大嫌いな変態たちの性癖の情報だった。
彼はいつも損な役ばかりな気がして気の毒になる。
そしてこれまでの性格異常な犯人とは違い、陰湿に思い詰める犯人だったせいで、マリーノが得意な追い詰め方をした。
この事件はマリーノのための事件だったのかもしれない。
 ところで、伏線としていろいろ張られていた出来事は大きな絡みにもならず、やっぱりいらなかったんじゃないかという気もする。

痕跡 (上)


 法医学コンサルタントのスカーペッタは、かつて自分が就いていたリッチモンドの現検屍局長・マーカスから、1本の電話で呼び出された。
死因不明の少女の遺体を調べるためだったが、かつての検屍局は取り壊されようとしており、スカーペッタは衝撃を受ける。
 そして、一見関係のない事件だったトラックに轢かれて死んだ男性から取った微物が、その少女にもついていたことがわかる。

 これまでで一番薄い。印象も、内容も。
誰にも焦点を当てさせないような書き方は新シリーズになってからだが、そのせいかどこにも着目させず、誰もが無駄に長引かせようとしているよう。
やっと微物に気を向かせることができて、事件が進み始める。

三年長屋


 下谷、山伏町にある裏店、通称『三年長屋』。そこは河童を祀っており、3年ほどで望みが叶うという噂があった。
元武士だった佐平治は、大家のお梅と出会ったことで、その長屋の差配としてそこに住むことになった。
錺職人や辻占、下駄屋や古手屋などを商う店子たちと、にぎやかな暮らしを送っていた。

 元武士で、上役の不正を質そうとして疎まれたために藩を出てきた佐平治が、店子の悩みや厄介ごとを聞きながら、それぞれの旅立ちを見送る。
お梅が佐平治を差配にした理由は何だろうと考えながら読んでいたが、前半は特に理由も思いつかないほど平凡。
退屈になってきた頃、やっと店子たちの個性も出てきた。
それぞれがきちんと生きていこうとする様子がしっかり描かれているが、長屋が舞台の似たような話は多くあって、その中では特に特徴がなく、印象に残りにくい感じ。

黒蠅 (下)


 「狼男」からの手紙に誘われ、死刑囚監房を訪れるケイ。
マリーノやルーシーもそれぞれ目的を果たそうと準備を進めていた。

 官房では、これまでのケイでは考えられないような愚かなことを言い、挙句に逃走されてしまう。
代わって鋭い勘で危機を回避し、頼もしくなってくるのはニックとなった。
ころころと短い場面の描写が移り変わるので気がそがれてしまう。
そしてずっと疑問に思っていたのは、被害者に関してはきちんと本人確認をするのに、死んでいった犯人に関しては死体の確認さえしていないこと。
ゴールトやロッコは間違えようがないだろうが、爆発させたり沼に落ちたままのキャリーやべヴは本当に死んだのか。
ベントンがあっさり蘇ったせいで信用できなくなってきた。