こわれもの


 漫画作家・陣内。漫画は人気絶頂、婚約者もいて、陣内は幸せの中にいた。
ところが突然、恋人の里美が事故で死んでしまう。
衝撃のあまり、陣内は連載中の漫画のヒロインを作中で殺してしまった。
ファンからは抗議の嵐。しかしその中に、里美の死を予言した手紙がみつかり、陣内は差出人にコンタクトをとる。

 幸せから一転、絶望へと転がり落ちた陣内の行動は、動揺をそのまま表して一貫性がなくなってしまう。
そんな彼に寄り添おうとする手紙の差出人を、陣内が信用してしまうのは当然のことだろう。
最後のどんでん返しのための伏線もちゃんとつくってあり、混乱も大げさなくらいに次々と起こる。
でも、やっぱりどこにでもある流れ。「やっぱりか」としか思わなかった。