2018年12月27日 読了
十三層の巨大楼閣の頂点にいるという太夫の名を付けた伊武は、精巧な機械でできたオートマタだった。
幕府転覆を狙う技工士が作りだしたと言われていたが、それははるか1000年も前の技術であった。
伊武に惹かれた男がまた一人、その技術を学び、伊武を生かす。
艶めいた出来事はないが、代わりに精密な機械の動きに驚かされ、興味をそそる。
伊武に関わる秘密が少しづつ明らかになり、やがて大きな野望を浮き上がらせる。
最初から最後まで、オートマタの技術に引き込まれていたため、久蔵や幕府の隠密たちがどう動いて何を企んでいたのか少しも気づかなかった。
伊武を動かせる人は、一つの時代に一人だけとなるため秘密は漏れない。
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