死者の国


 パリの路地裏で、ストリッパーが殺された。
口を耳まで切り裂かれ、喉には石が詰め込まれ、裸のまま両手両足を縛られ、さらには下着で首を絞めているという異様な姿だった。
警視のコルソは、捜査を進める画手がかりは見つからず、そのうちに第二の犠牲者が見つかる。
すると、元服役囚で現在は画家として成功しているソビエスキという男が二人と付き合っていたという情報をつかみ、コルソはソビエスキを容疑者と考えた。
様々な共通点からソビエスキを追い詰めるが、コルソはどこかしら違和感も感じていた。

 思い込みが激しく、多少乱暴でも突っ走り、強引な操作を強行するコルソ。
違和感は時々見え隠れするが、それでも犯人はソビエスキしか考えられないと、突き進む。
やがてソビエスキは捕まるが、有能な弁護士が付き無罪になりそうになり、と状況は二転三転する。
決定的な証拠だと思われたものにも違和感が出てきたりと、どこかしらスッキリしない。
普通なら犯人が捕まって一件落着のはずが、裁判やら新たな死体やらとだらだらと続くには理由があるのだが、むしろ最後の事実のほうが予想ができた。
ソビエスキの強いキャラクターがなによりも印象に残る。

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