2013年05月17日 読了
かつて力の強い魔法使いが月を引きずり降ろし、凍土の地を人が住めるようにした。
3つあった月のうち2つを使って。
最後の一つを使わないように、その凍った土地に住む獣の王である伝説の鹿サルヴィが自らの命を差し出し、長い約束が交わされる。
きれいで残酷なファンタジー。
サルヴィとの約束を果たすために、優しい王子が生まれる。
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読書と手芸の記録
2013年05月17日 読了
かつて力の強い魔法使いが月を引きずり降ろし、凍土の地を人が住めるようにした。
3つあった月のうち2つを使って。
最後の一つを使わないように、その凍った土地に住む獣の王である伝説の鹿サルヴィが自らの命を差し出し、長い約束が交わされる。
きれいで残酷なファンタジー。
サルヴィとの約束を果たすために、優しい王子が生まれる。
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2013年05月14日 読了
江戸で損料屋をしている「出雲屋」のお紅と清次。
今は夫婦になって子供もいる二人の店は、つくもがみがたくさんいるために騒がしい毎日を送っていた。
子供の十夜は、二人の幼馴染と共につくもがみ達と仲良くなり、新しい仲間の双六と勝負を始める。
お紅と清次のはすっかりわき役になった。ご近所のやっかいごとに首を突っ込む子供たちの無茶を叱りながらも、つくもがみ達と少し距離が近くなる。
微笑ましい。
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2013年05月11日 読了
男子バスケ部に在籍しているが、ろくに練習にも出ず、たまに試合のビデオを撮ったりする不真面目な生徒。
そんな主人公の椎名康は、同じバスケ部員で憧れている網川が、自傷するほど思いつめて屋上から落ちたところに出くわした。
きれいにカモフラージュされていて、最後まで気付かなかったことがたくさんあった。
でも、ミステリとしてうまく騙されたという気持ちにはなれず、ただ理不尽に裏切られたような読後感だった。
キャラクターは面白いのに、好きにはなれない話。
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2013年05月10日 読了
生まれる前から遺伝子をプログラムされ、目や髪の色、骨格、果ては体質や癖まで、親の意思で作り上げられる人間。
身分差別の激しい世界で、おかしな死体が増える。
捜査を始めたFBIと、スクープを取るためにはキケンすら好物になるトップ屋。
彼らは、過去にペンタゴンが封印したゲームにたどり着いた。
未来の話なのに、創世記の神話ともリンクする。
不思議な夢のままで終わるが、次でその謎が解けるらしい。
前作は絶版で読めずじまい。
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2013年05月07日 読了
ヒューゴー賞とネビュラ賞に輝いた、アシモフの傑作。
地球は、他の宇宙とエネルギーの交換を始める。無害で低コスト、枯渇の心配もないという、理想のエネルギー源。
ところが、これは対等な取引ではなかった。
パラレルワールドでは、生き物も法則も時間軸もなにもかもが、こちら側とは違っている。だからお互いの不必要なものを交換すればそれは必要なものになる。
だけど、そんなうまい話があるはずはない。
おもしろいけれど、私はロボットの話のほうが好き。
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2013年05月01日 読了
江戸、小さな貸物店「出雲屋」を切り盛りする姉弟。
そこでは、生まれて百年を経て『つくもがみ』となった器物たちが好き勝手にしゃべりだす。
貸し出された先で見聞きした面白い話を店先で話し出すつくもがみ。
こちらは決して人とは口を利かないと決めている。
人の縁談や幽霊話、いろいろあってもやっぱりほのぼのとして読みやすい。
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2013年04月30日 読了
「フロリナが消滅する!」
1人の空間分析家が、そう言い残して宇宙から消息を絶った。
フロリナは宇宙で唯一、高価で高質なカート繊維を算出する惑星だった。
宇宙一の価値を持つフロリナをめぐり、その貿易権利を死守しようとする貴族たちと、そのすべてをかすめ取ろうとするトランター帝国の戦いが激化する。
地球でない惑星での暮らしや風景、秩序など、いろんな想像ができて面白い。
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2013年04月25日 読了
市役所の戸籍係の女に一目ぼれした梶原。
同じように、少し見かけただけの彼女が気になってしょうがなくなった3人の男たち。
いつも同じような地味な服に、化粧っけもなく、なにも欲しがらない、おかしな女。
接点のなさそうな男たちが、恭子というその女と関わって行くうちに起こす、自分とはまったく違う立場の者との邂逅。
この人は、「君たちに明日はない」シリーズ以外はどれも似ている。
どこか暗くて、じっとそこにいるだけのような話。盛り上がりも感動も特にない。
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2013年04月24日 読了
亡くなった祖母が残した文箱。
中には、和綴じの古文書と一緒に、和紙に包まれた気味の悪い物が入っていた。
何かの呪文のようなそれを、知乃は試してみることにした。
魔女の力を手に入れた知乃がその力を使うとき、知乃の体にはその代償のように苦痛が伴った。
大人になった知乃とその友人たちの、恋愛に向けるパワーが引き起こす苦悩。
ゆるい恋愛小説。
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2013年04月23日 読了
自慢の剣の腕を貸し、利息を取るという貸腕業の吉岡清三郎。
胡散臭い客からは1日1両や20両とふっかける。それでも腕は確かなので、仕事はきっちりとするという、律義な男。
表情や機嫌の表現がとても面白い。
不機嫌だったり品のなさだったりの、どちらかと言うとあんまりリアルに思い描きたくないものがおかしな例えで書かれていて、不気味さを和らげてくれる。
情に厚くもなく、冷酷なところもあり、ヒーローや紳士では決してないが、頼もしさはとてつもない。
好きな部類の話。
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