2015年11月18日 読了
大森署の署長・竜崎の、周りの人間から見た人物像。
スピンオフ短編集。
効率や数字を重視し、変人で石頭と言われる竜崎だが、話をしているうちになぜか納得させられ、仕事も上手く片が付く。
そんな上司がいたら頼もしい限りで、一つ一つの話はとてもすっきりと気持ちよく終わるのだが、後にはあまり残らない。
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読書と手芸の記録
2015年11月18日 読了
大森署の署長・竜崎の、周りの人間から見た人物像。
スピンオフ短編集。
効率や数字を重視し、変人で石頭と言われる竜崎だが、話をしているうちになぜか納得させられ、仕事も上手く片が付く。
そんな上司がいたら頼もしい限りで、一つ一つの話はとてもすっきりと気持ちよく終わるのだが、後にはあまり残らない。
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2015年11月13日 読了
飲み会の後、道に迷ったつき子は、児童公園のベンチに座り、ガラクタばかりが入ったトランクをひろげた老人に出会う。
ガラクタと共に物語を売るというその老人がなぜか気になり、つき子はそのガラクタ屋に通うことにする。
絵本のような設定。
古くて、壊れたり擦り切れたり汚れたりしている物たちと、それにまつわる物語を聞いていくうちに、その老人と息子の過去の物語まで知ることになり、、、。
深刻な話があり、辛い過去があることを謎めかして話す。
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2015年11月12日 読了
遊園地で戦隊ショーをしている拓真(27歳)。
長い間音信不通だった妹のサトミが死んだという連絡を受けて駆け付けた拓真は、そこでサトミの子供・昌と出会う。
とまどいながらも馴染んでいく二人。
母親のジャムがつなげる絆にほのぼのとするが、なんだか薄っぺらい。
よくある設定である上に、最後に読者を驚かせるために子供の性別を思い付きで変えてしまったような感じがする。
必ず入ってくるおせっかいな異性の登場人物もそれほど活躍せず、「こんなやついるよね」で終わる。
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2015年11月09日 読了
15年前から羽根藩に仕官している多聞隼人は、鬼隼人と呼ばれ、成り上がりで、領民にも嫌われ、仲間の武士からも軽んじられる。
しかし彼には、誰にも言わない「この藩にいる理由」があった。
かつてこの藩で負った深い傷を誰にも見せず、ただ藩主が名君かを見極めるためだけに生きた。
その生きざまを潔いと言うかどうかはわからないけど、最初からどことなく悲しみが見え隠れしていたせいか妙に納得した。
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2015年11月05日 読了
愛弟子を二人も失い、気を落とすダニエル先生。暇になった残りの弟子たちは、盲目の判事の下で犯罪防止のための新聞を作ることになった。
その第一号が出た頃、身元不明の死体の情報提供を求める記事を出したいという依頼が舞い込む。
その死体の胸には『ベツレヘムの子よ、よみがえれ!アルモニカ・ディアボリカ』という謎の言葉。
その言葉が、死人として生きると言い残して消えた二人の弟子たちの消息を知る手掛かりになると意気込む弟子たち。今度もたくさんの身元のわからない死体がどんどん増える。
また死体がすり替わったりしていくから、前回と同じようなオチになりはしないかとひやひやした。それでも興味は尽きず、皆何かしらの結論を出して進んでゆく。
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2015年11月02日 読了
交通の便が悪く、古いために家賃が安いだけが取り柄のビルに入っている会社やテナントに出入りする人たちの、メモによる交流。
雑用に追われる事務職のネゴロ、いやいや通わされている塾の生徒であるヒロシ、退屈な毎日だと感じている20代のサラリーマン・フカボリ。
毎日のちょっとした不満が積み上がり、ビルの老朽化による取り壊しの話が持ち上がったり、大雨で孤立したり、散々なことが起こるがすべて平坦に語られるため危機感はない。
そのため退屈で盛り上がりもなかった。
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2015年10月31日 読了
天涯孤独の少年・トビーは、食堂の主に買われてひどい待遇で働かされていた時、仲間に誘われて軍隊に入る。そこで軍艦に乗ったトビーは戦で供を失い、漂流しているところをセント・イージス号に拾われた。
セント・イージス号では、何もかもが初めての体験だった。
人間らしい扱い、望めば与えられる教育。そしてセント・イージス号の秘密。
トビーが学びによってどんどん変わり、自分の意志と目標を持ち始め、不思議な海の生き物を操る少女に魅かれていく。前半の暗い様子とは打って変わり、セント・イージス号にかかわる者たちの充実感が力強くて気持ちがいい。
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2015年10月25日 読了
18世紀のロンドン。外科医ダニエルの研究室に、いつの間にか現れた死体が二つ。
盲目の治安検事は事件としてダニエルに協力を要請する。
医者と言えば内科医で、崇められる立場であるのに対し、外科医は悪魔の所業として偏見にさらされていた時代。解剖により人体の疑問を解き、死者が遭遇した出来事を探ろうとするダニエルは、研究者ゆえに政治力はなく、資金はすべて兄に頼っていたのだが、この事件で兄に疑惑が向き、狼狽えてしまう。
時に時間が前後し、入り乱れるように進むが混乱はない。
無知と偏見によって様々な悲劇が起こり、証言だけで証拠がないため解らないままの事も出てくるが、それもまたそんなものだと思わせる。
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2015年10月20日 読了
イケメンで料理も女あしらいも上手い弟の杏二と、さして美人とは言えないが普通の容姿の姉・偲が二人で営むリストランテ。
店に来る女性客にはたいてい手を出している弟は、それでもなぜか揉め事にはあまり当たらない得な性分。
小さないい雰囲気の店らしいけど、行ってみたいとは思えなかった。
間にいくつか話が抜けているのかと思ったくらい中途半端に話が飛び、都合よく事は収まるし、最終話は余計なつけたしにしか思えず、後味の悪さだけが残る。
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2015年10月18日 読了
怪異を好む中条・宣能につき合わされ、散々怖い目に合いながらも断れない宗孝。
今度は宗孝の五の姉が大きく関わる。
学者に嫁いだ五の姉は、夫婦で発明品を作っては皆を助けていたが、その発明品を夜な夜な試す十一の姉・小宰相と、さらにその小宰相が仕える八の姉の懐妊に伴い加持祈祷をした僧とが入り乱れ、話がややこしくなる。
様々な出来事のすべてに五の姉とその夫の発明品が顔を出し、アクション要素までもが盛り込まれた。
でも恐ろしい場面がなぜか和んでしまうのは、宣能と宗孝の所々かみ合わない会話のせいか。新しい登場人物も加わり、あと何人の姉が待っているのかと思うととても楽しみ。
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