開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU―


2015年10月25日 読了
 18世紀のロンドン。外科医ダニエルの研究室に、いつの間にか現れた死体が二つ。
盲目の治安検事は事件としてダニエルに協力を要請する。

 医者と言えば内科医で、崇められる立場であるのに対し、外科医は悪魔の所業として偏見にさらされていた時代。解剖により人体の疑問を解き、死者が遭遇した出来事を探ろうとするダニエルは、研究者ゆえに政治力はなく、資金はすべて兄に頼っていたのだが、この事件で兄に疑惑が向き、狼狽えてしまう。

 時に時間が前後し、入り乱れるように進むが混乱はない。
無知と偏見によって様々な悲劇が起こり、証言だけで証拠がないため解らないままの事も出てくるが、それもまたそんなものだと思わせる。

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