最後の封印


2010年12月17日 読了
 エイズウイルスから枝分かれして進化したHIV-4ウイルス。
そのHIV-4感染第二世代はミュウと呼ばれ、異様に細い手足と突き出た額を持ち、その額には例外なくコブのような突起があった。

 ミュウを見つけ出して抹殺するミュウ・ハンター。ミュウを保護するデビル特捜、国連、ジャーナリスト。
 だが、ミュウとは一体どんな生き物なのかは誰も知らなかった。

 人間は進化して違う種になっていくのか。あっけなくて軽すぎる話だった。

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死者からの告発―法医学者の事件ファイル


2010年12月09日 読了
法医学者が語る人の死に様。
殺人、事故、自殺といった、自然死ではない死に立ち会うことが多い法医学者が、思い出深い事件を語る。

 死体の所見だけでなく、その事件の背景や人情といったところに観点を置いているので読みやすい。

 主要都市以外にも、早く監察医制度が整ってほしいと願う。

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特命


2010年10月16日 読了
 洞爺湖サミット目前、成田空港において謎の言葉を残した男が死んだ。
 その謎を探るべく一人のキャリア・伊賀に特命が下る。

 ただの密入国だと思われていたが、やがてそれは日本政府の秘められた過去を暴く鍵となる。

 重く暗い流れで進み、じわじわと正気を失わせるような闇を描く。途中で飽きがくる。

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RANK


2010年07月02日 読了
 すべての成人にランクをつけ、その下層にいる人たちを「執行該当者」として狩る「特別執行者」。
 任務に疑問を抱く春日と、歪んだ正義感のもと暴走していく佐伯の行動が、怖いほど乱暴に書きなぐられていく。

 この本を手に取るのは、2度目。
最初は冒頭のあまりに残酷な佐伯に気分が悪くなり、読むのをやめてしまった。
 だんだん話は動き、その意味もわかってくるのだが、結局最後まで、暴走が過熱するだけだった。

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ナイルの暗号


2010年05月01日 読了
 エジプト考古学者で30年来の友人が、謎のメールを残して失踪。やがて無残な姿で発見される。

 歴史的発見をした友人と、それを狙う盗掘団。友人の仇を討つと決心した主人公。

 著者が考古学者であり、様々な発掘を手がけている。初のミステリー作品だというが、事件にいたるまでのエジプトのウンチクがやたら多くてうんざりする。その辺りの説明はごっそりいらない。

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風の音が聞こえませんか


2010年03月31日 読了
 保健所の精神科ソーシャルワーカーとして働く美知が担当することになったのは、ひきこもりの晃。
 なんとか彼を変えていこうとする美知だが、やがて二人は静かな何かに落ちていく。

 精神科の病気の話、恋愛の話。おそらく純粋だと二人は思っている愛の話だけど、どこかしら批判めいた感情が湧いてくるのはなぜだろう。
 ひたすら無垢に、謙虚に、相手を思っているのに、いまいち同意できない。

 主人公が一番ふがいない。

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ホット・スクランブル―緊急発進


2010年03月07日 読了
 F-15イーグルのパイロット辰巳彰一尉。黒い雲に吸い込まれたと思った直後、気付いたらF-51オラクルと呼ばれる機体を操縦していた。

 上空のコックピットの中で突然30年の月日が流れる。

 様々な伏線が広がり、どこで繋がるかどう収束するかと思い読んでいたら、残り30ページとなるまで山場が来ない。なんだか投げ出されたような終わり方で少しも納得いかない。
 中途半端のまま置き去りにされた出来事もあって、エピローグがそのまま抜け落ちたよう。

 空での攻防はかなり丁寧に書いてあるのに、ストーリーとしては雑すぎてテスト飛行のシュミレーションを見させられただけといった感じ。

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退出ゲーム


2010年02月19日 読了
 高校1年のチカと、妙に整った顔立ちの幼馴染ハルタ。
二人が学校で起こるいくつかの謎を追う。

 良くも悪くも学園ミステリ。中高生向けか。
謎も、時々チカによって語られる描写も、なかなか面白いのだけれど、どうも結末が弱い。
 アニメ感覚で情景が浮かぶ。

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セネシオ


2010年01月24日 読了
 気弱で、見た目もいいとは言えない主人公が、ある日出会う少女にサイコキネシスの力を目覚めさせられる。
 体内で起こる抗原抗体反応がヒト同士の間でも起こる。

 ホラー。どろりと張り付くようななんとも気持ちの悪い感覚をずっと引きずり、次の世代まで続く。

 割と楽に読めるものの、この気持ち悪さがずっと付いて回る。
評価したくない。

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たったひとつのプレゼント


2009年12月21日 読了
 性同一性障害。著者の自伝的恋愛小説。
どんな悩みよりも打ち明けにくいし、乗り越えにくい。でもやっぱり人を愛したい。本当の自分の性で。

 考えが煮詰まり、追いつめられ、だけどそこから別の世界を見つけて進んでみようとする。

 前に読んだ「慎治」と同じだけど、こちらはなんだかあまりリアルに感じない。むしろこっちのほうが日記な分、よりリアルなはずなのに。

 テーマが自分には遠くて感情が及ばないんだろうか?でも「女」であり「恋」ならわかるはず。。。

 それはタイトルのプレゼントと、それをくれた男があまりにも胡散臭い気がしたから。当人にしかわからない感情があったんだろうけど、小説ならそれを感じさせないと意味がない。

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