2017年12月13日 読了
北海道で破格のサラブレッド「セシア」が搬送時の事故で足を痛めてしまう。
その馬は3億2千万円もする馬だったために、事故を言い出せず、関係者は周りを騙すことにした。
自分たちが計画したことがどんどん勝手に進んでいき、最後にはまんまと身代金を盗られてしまう。
見事なかすめ取られっぷりでいっそ清々しい。
馬の事も競馬の事も知らずとも、充分に楽しめる。
ただ、デビュー作も競馬馬のことだったため、同じテイストで新鮮味は薄い。
|
読書と編み物の記録
2017年12月13日 読了
北海道で破格のサラブレッド「セシア」が搬送時の事故で足を痛めてしまう。
その馬は3億2千万円もする馬だったために、事故を言い出せず、関係者は周りを騙すことにした。
自分たちが計画したことがどんどん勝手に進んでいき、最後にはまんまと身代金を盗られてしまう。
見事なかすめ取られっぷりでいっそ清々しい。
馬の事も競馬の事も知らずとも、充分に楽しめる。
ただ、デビュー作も競馬馬のことだったため、同じテイストで新鮮味は薄い。
|
2017年11月30日 読了
この世とあの世の狭間にある黄泉坂で、迷える魂を遺恨なく送るために働いている彩葉と速人。
死んでしまってからも人に喜んでもらおうと坂の下で居酒屋をひらいた死人のおかげで、死人は増えているのに迷う者は減ってきていた。
生きていた頃の強い迷いをぬぐい、あの世へと導く二人の話というより、後悔を抱える死人がメイン。
ちょっと面白そうな人もいたけど、中途半端なまま終わったようなものもあり、消化不良な後味が残る。
|
2017年11月13日 読了
バチカン美術館にマリア様が現れて予言をするという噂を調べるために美術館に泊まり込む平賀とロベルト。
その頃、街では十字路に描かれた魔法陣から悪魔を召喚するという事件がいくつも起こっていた。
番外編といった感じだが、平賀とロベルトの調査の様子がちょくちょく入る割には重要でもなく、27頭の象事件は解決はするがいまいち納得もいかず、ばらばらになったままフェードアウトといった終わり方ですっきりしない。
結局どうしたかったのかわからない。
|
2017年11月11日 読了
大阪にある居酒屋「二歩」。生稲怜花はそこで、10年まえの病の後遺症で盲目となった母と、二人を支えてくれた育ての父と暮らしていた。
ある日、母の失明は薬害のせいだと言う記者がやって来る。
まだ認可されていない薬を巡り、命を優先して与えた薬に対して後遺症が出た時、様々な立場の人がどう考え、どう動くか。
前半は良くある話で退屈。やっと気が乗ってきたのは最後の100ページほど。
10年まえ何があったのかが少しづつわかってきてから。
最後はこんな解決法もあるのかと思わせた。清濁まるごと飲み込んでしまう大物が頼もしく思えてくる。ただでは起きないのならそれでいいかと思える始末が以外にも心地よい。
|
2017年10月20日 読了
東京の小さな新聞社で記者をしている亮一は、「天皇重体」との情報を掴む。
これまで国民にはその姿も人柄も秘されていた天皇の様子が初めて庶民にさらされる。そして崩御の後、東京に神宮を建てるという計画が立てられた。
150年後に完成する明治神宮を作る計画が動き出す。
なんとも気の長い話が、実は今も続いているのかと思うと見に行きたくなった。
天皇の人柄など知る機会もそうないのに、なぜ人々は国の象徴として認め、崇めるのか。
神宮を作る話よりも、天皇の話がもう少し知りたいと思った。
|
2017年10月16日 読了
視聴率が低下し始めたTBNの報道番組『ニュースイレブン』に、大阪から栃本という男がやってきた。
かき回されて雰囲気が壊れることを恐れたデスクの鳩村だが、遊軍の記者・布施はなぜか栃本に同調する。
そして、その頃警視庁特別捜査対策室の黒田と谷口が追っている未解決事件に布施が興味を持ち。。。
二つの視点からひとつの事件を追うが、大きく変わる見方に振り回される。
視点は片方でよかったのではないかと思う。
|
2017年10月05日 読了
主人公の探偵は、名古屋から上京していた実業家から、いなくなった娘を捜してほしいという依頼を受け、娘の行方につながりそうなTwitterの履歴をさぐる。
ただの家出娘かと思っていたら、見つけた娘が自宅で殺されていた。
タイトルとはそぐわない不穏な表紙。
「あぽやん」のほのぼのとした作風とは全く違ったハードボイルドの世界だった。
しかし、探偵のキャラクターがいまいち弱く、信念を語ってもどうもそれがうまく結びつかない感じが最後まであった。Twitterのアカウントを使い分けている若者たちと関わり、アカウント名がたくさん出てくるわりにはどれも薄い登場で印象に残りにくくて混乱が大きかったため、読み切ってもなんとなく満足感がない。
|
2017年09月05日 読了
クリミア戦争から祖国への帰途、エドモンド・ニーダムと戦友であるマイケル・ラッドは、奇妙な使命を負う。
瀕死の青年を彼の母の実家まで送り届けてほしいというものだった。
その名も奇妙な「髑髏城」。
昔の翻訳小説のような文体と流れで、上流階級の不可思議な人物と依頼に興味はわくが、どことなく話も読め、特に印象深い部分も残らず、さらりと読み終わる。
シリーズになっているらしい。
|
2017年09月02日 読了
かつて師と仰ぎ、信頼し、許嫁として恋していた相手に裏切られ、仇を打つためだけに生きてきた盤。
旅をしながら彼女を探し続け、やっと見つけてチャンスを得たと思った時、彼女もまた強い意志を持って自分のそばにいたのだと知る。
話のほとんどが逃げ、旅をし、苦難を受ける日々で過ぎる。
憎しみとはいえ、それほど強く長く思い続けた相手に出会った時、自分はどうなるのか。様々な力に翻弄されながら生きる盤の旅は、もっと充実した日々であったはずなのに、割とあっさり読み進められてしまう。物足りなさが大きい。
そういえば前作の「小旋風の夢絃」も、読んだことは覚えているのに内容はさっぱり記憶にない。
|
2017年08月23日 読了
明治38年。誰もが日露戦争の行方を見守る中、帝国大学の講師が殺された。
警視庁第一部第一課の面々は、私立探偵だという西小路を操作に紛れさせ、被疑者の割り出しに向かった。
明治、警察の組織が何度か改変され、政治的なしがらみが強い中、次々と起こる手口が一致した殺人。
連続殺人として捜査が始まったものの、他所からの圧力や政治的背景についての講釈が割と多く、少し堅苦しい。
捜査員たちの感じた違和感や推理が解決につながるのだが、それよりも立場と政治についての印象が強く、素直に楽しめなかった。
|