ハケンアニメ!


2018年03月05日 読了
 アニメ制作の現場で起こる、悲喜こもごも。
9年ぶりの天才監督が、アニメ連載中に逃げ出した!
なんとか探し出さないと、大変なことになる。
そして同じクールには、期待の新人監督が描くアニメが注目されていて、果たして今クールの覇権を取るアニメはどれだ!

 威勢が良く、慌ただしく、地味だけど心を打つ仕事。
アニメ制作に関わる、監督やプロデューサーだけではなくて絵師も全部ひっくるめた、アニメの世界。
勢いがあってするする読めるけど、そのうちその流れはどうにもこちらの感情の揺らぎをどうにかして増幅させようとだけを狙っているように思えてきて重くなる。
無理やり感動させようとするみたいな、有川浩と似ていて最後はげんなり。

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レジまでの推理 本屋さんの名探偵


2018年02月27日 読了
 本屋さんの仕事は結構肉体労働。
亡くならない万引きに不況、本離れの若者などなど、問題はたくさんあるけど、やっぱり本が好きな人たち。

 本屋にやって来る客たちが憂い顔だと気になってしまう。そんな店員がいくつかの謎と問題に行き当たる。
ちょっとしたヒントから犯人や真相を突き止めてしまう「店長」はたしかに不思議で面白いけど、それ以外は特徴的な人も出来事も特になく、終わったらさらりと忘れてしまう。代替わりした「店長」の話の時系列が並び順ではないので「今のは何だったんだ」という気分にさせられ、余計にイライラして好感度減。

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往復書簡


2018年02月24日 読了
 高校教師の敦史は、小学校時代の恩師の依頼で、彼女のかつての教え子6人に会いに行く。
手紙のやり取りだけで綴られる、過去の事件。

 最後はそれなりに意外な面もあって、なるほどと思うところもありけど、やはりそこは湊かなえ、なんとなく後味が悪いし話が終わった感じもしない。
そのままの雰囲気のまま次の話へと変わるから、話が続かなくて違和感があるまま進み、またモヤモヤしたまま終わる。
満足感は全くない。

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鶏小説集


2018年02月19日 読了
 鶏に絡めた短編集。

「肉小説集」と同じような構成のはずだけど、「肉」に比べてこちらは嫌な気分になる物もあり、物足りないものもあり、納得いかないものもありと、なんだか煮え切らないものばかりだった。
 「肉」では出てくる料理もとても美味しそうで楽しかったが、こちらは内容の暗さに引きずられて美味しそうに感じない。
後味の悪さが大きかった。

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三人屋


2018年02月07日 読了
 朝は三女の喫茶店、昼は次女のうどん屋、夜は長女のスナックと、父が残した喫茶店を使って姉妹それぞれが商いをする店が、年寄りばかりのラプンツェル商店街にある。
そこにやってくる癖の強い常連たちと姉妹の物語。

 仲が悪い姉妹という設定で、でも店は仲良く使う。
一番奔放な性格の長女が突然店の積立金を持っていなくなった頃、そういえば伏線がちゃんとあったと気づいたけど、それくらい興味をそそらない。
読み終わってからも、結局なんだったんだと思ったくらい薄っぺら。

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マイ・ディア・ポリスマン


2018年01月31日 読了
 元捜査一課の刑事だった宇田巡が、幼い頃住んでいた街の交番勤務になって戻ってきた。
幼馴染の副住職と一緒に街を見守っているつもりでいたら、漫画家志望の女子高生から遠回しなSOSがやってくる。

 穏やかに過ぎる毎日のなかで、事件というほどでもないけど困っている人がいて、それを知った天才的な掏摸の技を持つ女子高生がこっそり助けを求めるという、静かなオオゴト。作者の本では一番よくある話。
そして主人公やその周りの人間も、何か重いものを抱えていそうという思わせぶりところも同じ。流れですいすい読めるけど、何も残らない。
 で、金貸しの天野さくらはなにしたのさ。恩を返すって大きなこと言って何もしてないじゃないの。

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キネマの天使 レンズの奥の殺人者


2018年01月24日 読了
 スクリプターという、映画政策においてフィルムを繋ぐときに矛盾が出ないようにすべてを記録する仕事。
そんな仕事をする亜矢子の毎日は忙しい。
ところが、撮影が佳境に入ったという時に、主役のスタントをしていた男性が殺されてしまう。

 久々の赤川次郎。
相変わらずのスピード感で気持ちよく読める。
そしてちょっと間抜けな掛け合いも。
印象に残るほどではないけど、ハズレがない安心感がある。

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バック・ステージ


2018年01月15日 読了
 新入社員の松尾はある晩会社で、先輩の康子がパワハラ上司の不正の証拠を探している場面に出くわし、なぜか手伝わされる。
よくわからないままつき合わされ、犯罪すれすれのことまでして証拠をつかむが。

 賑やかに大騒ぎの短編がいくつか。
それは一つの出来事をそれぞれの人たちが自分の視点で見た事件。
最後はちゃんと繋がるが、一つ一つがぶつ切りで終わっているためにすべて読み終えるまでは消化不良でもやもやしたまま。
濃い人たちが自由に動き回るために未完成感が大きく、終わってもすっきりした気分になれない。

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夢の花、咲く


2018年01月11日 読了
 朝顔を育てるのが何よりも好きという同心、興三郎。
仕事は奉行所の姓名掛だが、なぜか人殺しの捜査に加わることになってしまう。
荒事はからっきしながら、毎日眺める人別帳の記憶が不可思議な行動をする者と結びつき。。。

 また黄色い朝顔の話か、とうんざりしたが、それがメインではなく、陰謀渦巻く朝顔の品評会の話だった。
だが盛り上がりに欠け、うっすらとした余韻が残るくらいでさして印象深い出来事もなく、そっと終わる。
読後感も薄すぎて読んだ感想が出てこない。

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福袋


2017年12月20日 読了
 江戸で起こる日常の出来事を短編で。
その日暮らしの仲良し男二人が、死のうとしていた男からもらった櫛を売り始める話。羽織の裏地に絵を描くことを専門としている女絵師の話。手習塾を休んででも三助をしたいという湯屋の娘。

 一つ一つは面白い設定だけど、いまいち話に力がなく、短編にするために端折った部分が読み取り切れずにいる感じですっきりしない話が多い。
この人はじっくり長編の方が面白い。

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