てんげんつう


2019年08月31日 読了
 若だんなの許嫁、於りんの一家が、店を閉めてみんないなくなっている。
そんな知らせを受け、若だんなは寝床から動けない自分を情けなく思いつつ、獏久の力を借りて悪夢へもぐりこむ。

 若だんなのところにやって来る妖達は、人とは理が違うために、いろんな無理を言ってくる。それに巻き込まれるのは相変わらずだが、いつもは寝付いていても考えが冴える若だんななのに、今回はほとんど知恵が出てこなかった気がする。

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ていん島の記


2019年08月24日 読了
 聖山アマンディをいだき、遥か上空、雲の海に浮かぶ島“ていん”。人々は空・川・山の民として互いに交わらず、領分を守って暮らしていたが、やがて悪天候や天災で飢え、争いを始めるようになった。

 わかりにくいし、想像しにくいため、世界観に入るのにだいぶんかかる。
そしてやっとわかってきた頃に佳境を迎え、最後はなんとか収まる。
結末でやっと何の話だったか分かるのでスッキリはするけど、それまでには何度も放り出したくなるのを抑えて読み進む必要がある。

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アルゴリズム・キル


2019年07月13日 読了
 指揮命令違反を繰り返した末、所轄署の警務課に異動になったクロハ。
視線と監視を感じ、居心地の悪い思いをしていたところへ、傷だらけの少女が保護される場面に出くわす。そこから少年の不審死が続き、クロハは独自に調査を始める。

 相変わらず全体を通して暗い。そして必要以上にクロハの自責が続くため、鬱々とする。
捜査本部ができる大きな事件と、その裏で扱いかねている曖昧過ぎる事件の間でクロハが動くため、一人で活躍しているように見えるが、特別扱いされているお嬢様的なところが都合よく解決につながっているためか。
暗い雰囲気で覚えてはいるが、これまでのストーリーは少しも記憶に残っていなかった。

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病弱探偵 謎は彼女の特効薬


2019年07月04日 読了
 高校生の貫地谷マイは年中体調不良で学校はほとんど行けてない。
そんなマイは病気の間の辛さを少しでも紛らわすために、推理小説で培った知識を使うべく、謎を求めていた。そしてマイの幼馴染みの同級生、山名井ゲンキが学校で起こった謎をマイ伝え、二人で謎解きをする。

 病弱で謎解きとくれは「しゃばけ」が思い浮かぶが、こちらは現代。
ネタも恋愛から運動会や図書館など、学校らしいものばかり。
だけどマイの気質がどうにも腹立たしくて、解決してもすんなり喜べない。
モヤモヤした違和感か嫌悪感のせいで、いまいち解決した気分になれないまま残っている。

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王国は誰のもの


2019年06月29日 読了
 家でも学校でも学校でも居場所を見つけられずにいる女子高校生の莉世は、学校帰りに奇妙に大きな黒い帽子をかぶった少年・冴島丈と出会う。
 彼の一言で莉世は助手となり、山の上の「王国」へ向かう。

 山の上には現代の技術を否定した、自称・王様が住む城があり、そこでは中世ヨーロッパを忠実になぞった生活があったという設定。
現実から異世界へは、他の小説などと違って、ただ山を登るだけというのは面白かった。しかしそのせいか、どうも徹底せず、入り込めない。現実の続きだと思うから、狼男や吸血鬼などが白々しく感じてしまった。

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毒よりもなお


2019年05月15日 読了
 都内でカウンセラーとして働く美谷千尋。図書館の一角を借りて、ボランティアでカウンセリングをしていた。
そこへ、自殺志願の女子高生がやって来る。
 その相談が、かつて千尋がカウンセラーを目指した頃に出会った、ヒロアキを思い出させる。

 今までと違ったものを、という作者の言葉通り、雰囲気はだいぶん違う。
これからどうなるのかとどんどん読み進められるが、最後になって混乱する。
それがすんなりと納得できずに終わるため、消化不良でモヤモヤしたままだ。
読者に判断を任せるというより、どうにでもなれといった雰囲気を感じた。
ここまで人物をしっかり固定してきたのに、「夢オチ」と似た感じで唐突に終わる。

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立川忍びより 忍ビジネスはじめました!


2019年05月10日 読了
 忍者一家・藤林家に居候し、いくつも仕掛けられる罠もよけられるようになった頃、元カノの悩みにいくらかの解決を示す手伝いをしたことをきっかけに、困っている人を助ける何でも屋「忍ビジネス(しのびじねす)」を始めることにした。
 そしてかつて自分が在籍していたブラック企業の同僚を助けるに至り、多聞はまた自信をつける。

 仙人の次は忍者。でもこちらはなんだか胡散臭い。
軽い語り口だけど、今風の設定に忍者のあり得ない技が絡むと違和感が大きい。
悩みや困りごと解決ならもう少しリアルでしっかり土台がわかった方が説得力がありそうだけど、この軽い雰囲気で何でもアリにするのも想像が膨らむのか。

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発現


2019年05月09日 読了
 昭和と平成、二つの時代で起こる、気も狂わんばかりの幻覚。
母が、その恐ろしい幻覚に悩み自殺。兄も、憔悴しきっている頃、主人公の私にも見え始める。ただ一人見えない父が、どうにかして原因を探ろうと動き始める。

 死んでいることがはっきりとわかる少女と、襲い来るヒガンバナという、いかにもホラーな幻覚。
父の理解ある言動で少しづつ過去を手繰る3人。
ホラーだけど気持ち悪いわけではないので次が気になる。
でも昭和と平成ヲ行ったり来たりしているために、人物がつかみにくい。
結末も放り出したようにブツリと終わり、なぜ登場人物はそこで納得できるのかがわからない。もう少し丁寧な描写がほしかった。

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発現 [ 阿部智里 ]
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有楽斎の戦


2019年03月29日 読了
 織田信長の弟でありながら戦が嫌いで、できれば茶の道で静かに生きたいと願う織田源五郎。
彼はどうやって数々の戦を生き抜いたのか。

 たいした手柄も上げられず、戦とは関係ないところで怪我をする源五郎。
そんな彼が戦に駆り出されて毎回弱気になりながらも、すんでのところで助けられるところが描かれる。余生は静かに茶をたてながら過ごし、息子からの提案に嬉々とする有楽斎の様子が微笑ましい。
でも戦ばかりの話は私には少しつまらなかった。

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有楽斎の戦 [ 天野 純希 ]
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under the bridge


2019年03月29日 読了
 マンハッタンで立てこもり事件が発生した。
ニューヨーク緊急出動部隊のブラウン率いる班が突入し、無事人質は保護され、犯人は射殺された。
ところが、NYに潜伏中の探偵・濱崎は、人質が旧知のヤクザの情婦だったことを知り、これには裏があると思い探ることにする。

 ハードボイルド小説『over the edge』の続篇。
前作の話は覚えていないけど、登場人物などの雰囲気は残っていた。
ブラウンと濱崎の、気に食わないけど信用してるというハードボイルド定番のやりとりが、重くなり過ぎずテンポよく進んでいくので読みやすい。