2012年09月17日 読了
「楽園の話を、聞いてくれないか」と言ってにっこり笑った父さんは、微笑んだまま、死んでしまった。
残された兄妹4人は、みんな母親が違っていて、それぞれの母に、会いに行こうと決めた。
いつもながら、穏やかで優しい読後感。
ただ生きているだけで、そこは楽園なんだと思える人々。
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読書と編み物の記録
2012年09月17日 読了
「楽園の話を、聞いてくれないか」と言ってにっこり笑った父さんは、微笑んだまま、死んでしまった。
残された兄妹4人は、みんな母親が違っていて、それぞれの母に、会いに行こうと決めた。
いつもながら、穏やかで優しい読後感。
ただ生きているだけで、そこは楽園なんだと思える人々。
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2012年09月12日 読了
第1回アガサ・クリスティー賞受賞作。
24歳にして教授になった天才、渾名は黒猫。
その黒猫とは学生時代からの腐れ縁である主人公が、黒猫と共に日常の不思議を考える。
時には身近な所で、時には有名な昔の本たちから、美学を語り、追求する黒猫。
堅苦しい言い回しや物語への深い考察は、始めは読みにくいが、次第にこちらも一緒に議論に参加している気分になる。
ボーの話を多く引用しているところは、ミステリ好きにはたまらないだろう。
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2012年09月05日 読了
シリーズ3作目。
今度もやっかいな案件をかかえるぐー子。
あちこち走り回りながら、少しでも鏡に認められたくて必死だが、鏡の言葉に右往左往するのは変わらず。
いくつもの案件を抱えているためか焦点がばらけるが、今回のぐー子は体を張る。
しかし鏡のプライベートな話はとってつけたようにも感じて違和感があった。
この二人の絡みは面白いけど、今回の話は悲しい結末が多かった。
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2012年08月29日 読了
少子化、晩婚化、生涯未婚率の増加。。。
政府はこれらに対応するため、「抽選見合い結婚法」を可決した。
3回断ると強制的に「テロ撲滅隊」に入隊させられるので、あわてて結婚する人もいれば、こんなことがなければ絶対話すこともない人と最低1度はデートできるのだから、とこっそり喜ぶモテない奴もいる。
この作者、「70歳死亡法案」といい、「抽選お見合い」といい、時に考えるけど決して実現しないだろうなぁというモノばかりでおもしろい。
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2012年08月14日 読了
鏡が、担当の滞納者を恫喝して追い込み自殺させたとして、遺族から訴えられた。
一大事のはずなのに、等の鏡は出張を繰り返してまるで逃げ回っているよう。
腑に落ちないぐー子は、仕事に忙殺されながらも鏡の幼馴染と共に真相を探ろうとする。
1作目よりも引きこまれた。テーマが「体裁」で、さらに女性たちがギリギリの精神力で立場だったり居場所だったりを守ろうとしている姿が他人事とは思えない。
立場によって賛否ありそうな話。
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2012年07月20日 読了
洋館を改装してカフェにした。
主人公のダイがコーヒーを出す店に、小さな女の子が助けを求めてやってきた。「姉を探してほしい」
更に全く別のところで、昔の上司から頼まれた”お使い”。
関係ないと思われていた二つのことは、ダイの過去をえぐり、さらに傷つけようとする。
生きている人、とりわけ子供は絶対。
作者が小説の中で守ろうとしているものはどの作品も、これだけ。
悲しいことは多いし、どうしようもないこともたくさんあるけど、最後は少し幸せな物語。
もう一つのダイの話も、読まなくちゃ。
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2012年07月15日 読了
「鋼鉄都市」での活躍を見こまれた地球人刑事ベイリが、宇宙国家ソラリアで起こった殺人事件の解決に呼ばれる。
相棒のダニールとも再会。
人とロボットとの割合が1:1万の星では、人と人は「会う」必要がない。直接会うことが恐怖となる彼らの間では、殺人など起こり得ないはずだった。
地球の常識が利かない中で起こった殺人のため、はったりや勘違いを繰り返しながら進む。
ダニールも今回はサブに徹していたため、少し物足りなさを感じた。
満足感は前作と同じくらいあったが、ベイリによるダニールの扱いが前回よりぎこちなく感じた。
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2012年07月09日 読了
コーヒー豆と和食器の店「小蔵屋」を営む杉浦草。
70を優に超した老女のお草は、無料のお試しコーヒーを出しながらゆったりと日々を過ごす。
しかしこのところ、憂いの種がいくつも芽吹いてきていた。
近所で起こる無理な借金と金貸しと詐欺まがいの土地の買い取り。そんな話を聞いていくうち、つい真実が知りたくなって動き出してしまう。
着物姿で蝙蝠傘をつくお草さんの言動は、まさに稟とした日本の女性。
お草さんの言葉が、ひとつ、残る。一生ついて回りそう。
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2012年07月04日 読了
大学時代からの腐れ縁3人組が、ほぼ同時期に彼女に振られてしまった。そんな時、大学時代の憧れの美紗子先輩に偶然出会う。
彼女から、自分のやっているエステティックサロンで「素敵な男性養成講座」を開くから1期生になってくれと言われて参加するが。。。
男の人に薄々感じていた「納得のいかないこと」や「言いたいこと」が講座ではさらりと1度だけ語られる。
こんな話は物語だからと流してしまったらもったいない。
美佐子さんの講座は、本当にモテ男を作るかもしれない。
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2012年07月03日 読了
祖父から半ば押しつけられるように継いだ人形店で、腕はいいが寡黙な職人と、人形マニアな若者と3人で過ごす店主の澪。
そこではもはや人形を売るよりも修理の方がメインとなっていた。
持ち込まれる人形や尋ねてくる人々が、個性が強いくせに雰囲気のいい人ばかり。なごやかな店のその雰囲気が漂ってくるように物語に入り込めた。
夢か現か境目か、まさにその状況が最後に訪れる。
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