2013年12月13日 読了
商店街の一番奥、店なのか店じゃないのか、開いてるのか開いていないのか、知らないと通り過ぎてしまうようなところに、「あずかりやさん」はある。
あずかってと言われたものをあずかり、一日百円。ただあずかる。客が持ってくるものはいろいろで、その中にはいろんな人生がある。
一人きりの店主が、ただゆっくりと穏やかに本を読む。
穏やかなその情景が目に浮かぶ。
辛い日々でもいつか癒され、変わっていく様子が描かれていて安心する。
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読書と手芸の記録
2013年12月13日 読了
商店街の一番奥、店なのか店じゃないのか、開いてるのか開いていないのか、知らないと通り過ぎてしまうようなところに、「あずかりやさん」はある。
あずかってと言われたものをあずかり、一日百円。ただあずかる。客が持ってくるものはいろいろで、その中にはいろんな人生がある。
一人きりの店主が、ただゆっくりと穏やかに本を読む。
穏やかなその情景が目に浮かぶ。
辛い日々でもいつか癒され、変わっていく様子が描かれていて安心する。
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2013年12月06日 読了
15年務めてきた小間物問屋を、濡れ衣を着せられて首になった益治郎。恨みを募らせる益治郎は、甚左という名うての盗人に声をかけられる。
その甚左から、ある店に奉公に入り内情を探れと言われてもぐりこんだところは、店のなかはガラクタでいっぱいの汚い古道具屋だった。
皆塵堂に新しい働き手がきた。
なぜか店で一番えらい猫と、裏表の激しい小僧、そして今まで皆塵堂で働いてきた人たち。
全部入り混じってまたおかしな事が起こる。
それでも最後はきっちり収まるところに収まり、気持ちよく読み終えた。
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2013年11月23日 読了
鬼のような顔つきの、豪胆な蘭方医玄齋の下で、二人の女が生きる。
玄齋の弟子の妻だった沙穂は、流行り病で夫を亡くした後も玄齋のところで働いていた。そんな玄齋の元へ嫁いだ2歳年上の叔母・千草との関係が、玄齋が蝦夷地へ旅立ってから急速に壊れ始める。
疱瘡撲滅を願う玄齋と、玄齋を慕う2人の女の物語。
先に読んだこの人の本も、どうしようもないものに翻弄される女たちの生き様が絞り出されるように書かれていたのが印象的だった。
今度も息苦しくなるような結末だったけど、読後感はさわやか。
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2013年11月13日 読了
陰陽寮の暦生である賀茂光栄には、安倍晴明という兄弟子がいた。
晴明といえば、『見目麗しくて立ち居振る舞いは品良く優雅、すべての人の目を釘付けにし、天才と呼ばれる陰陽師』が基本。
でもこの話の中では、『大きな鷲鼻でドングリ眼、父親が苦手で常に逃げ回っており、さらには18歳も年下の兄弟子と同レベルでケンカをする勉強嫌い』とくる。
あまりにも雰囲気の違う晴明で面食らうが、これはこれで面白い。
女好きで、女性を口説くためには必死で術を磨くが他のことではサボりまくる晴明は、光栄と共に見習いで未熟な学生。
その二人が同僚から相談を受け占をする。
まだ力のない晴明たちの必死さが頼もしい。
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2013年11月10日 読了
京都の花街、上七軒で舞妓をしている小梅は、お座敷で出会った一人の男になぜだか心を奪われる。
花街で舞妓として、芸妓として、振り売りとして生きる女たちの恋。
独特な言葉に慣れてからは夢中になれた。
切ない恋の話ばかり。
同じ頃に同じように恋をした女たちの話を、一つ一つ追える。
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2013年11月02日 読了
小野派一刀流の「青鬼」真木倩一郎。
道場で剣術を教えている浪人だが、ひょんなことから拉致に遭いそうなった女性を助けたことから岡っ引の総元締めと縁を持つ。
武家の倩一郎が大小を捨てて「たき川」へ婿入りするきっかけとなった一件。
剣の腕は師範代、見目もよく、穏やかな語り口の倩一郎はとにかくかっこいい。
さらに武士であることもあっさりと捨てて商人になるところも。
ただ、お葉とのやりとりはそれほど魅力的ではなく、むしろあまりいい女とは思えなかったのが残念。
先に読んだ次作の「初めての梅」でのお葉なら納得いくのだが、結婚に至るほど心を動かされたという部分が少ない。
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2013年10月29日 読了
ロンドンのジャーミン・ストリートに店を持つ靴職人の斎藤良一。
いつか「英国王室御用達」の称号を手に入れる日まで彼の野心は潰えないはずだった。
彼がそこに店を持てたのは、13年前の出来事があったからだ。
しかしその時から、斎藤に復讐するためだけに技術を高める若い靴職人・榎本智哉がいることを、斎藤は気づいていなかった。
すばらしい技術を使った職人の戦い。
ミステリーだけど、専門の話を飽きさせない程度に詳しく盛り込んであり、集中してあっという間に読んだ。
何かに囚われていると、これほどに視野が狭くなるものなのか。
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2013年10月18日 読了
猫しか描かない売れない絵師の青井亭拾楽。住処は鯖三毛柄の雄猫が一番偉いという長屋。そこは頼もしい差配と仕切り屋の女房のおかげで平和だった。
ところがその長屋へ、訳ありげな女が独り身で移り住んでくる。
訳ありなのはその女だけではなかった。
なんでも知ってる風の猫がここぞという時に出てきては、仙人のような仕切りで事を治めていく。なぜだか従いたくなるそのしぐさがすばらしい。
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2013年09月16日 読了
今年26歳になる娘が、結婚を考えているらしいと気づいた。
なんとそれは昔住んでいたマンションのお隣さん。つまり娘の幼馴染だった。
昔のお隣さんなら、家族全員よく知っている。普通であればそれなりに嬉しいもの。
しかし父親である孝彦は一抹の不安を抱えていた。
大きな問題というわけではないけど、少しづつ積もる苦痛。
なんとなく癪に障るという、男にはわかりにくいだろう性質が、とてもよく描かれていて少しぞっとした。
それでも、人の意見に惑わされず流されず、違った角度から見ている他人ではなく自分の方向から見てちゃんと判断することで、自信と余裕を持つことができるんだなぁと思えた。
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2013年09月08日 読了
監獄<黒い太陽>に幽閉され、薬で朦朧としながら数日先を予言させられていたヴィクトリカは、母によって助け出される。
ロスコ―と共に国外脱出を図るが、それは古き生き物たちには困難な道であった。
戦争によって別れたヴィクトリカと一弥は、また会える日を夢見て生きぬく力にする。
夢のような学園でおとぎ話のように始まった物語は、戦争というこれ以上ない残酷な現実の中で終わる。
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