2016年08月21日 読了
江戸川乱歩賞受賞作。デビュー作。
東北の牧場で、競馬評論家・大友隆一とその牧場長が銃殺される。
大友の妻である香苗は、馬の事は全く分からないが、夫の行動に不信を持ち、友人の芙美子と共に事件を調べ始める。
競馬の事はさっぱりわからないが、関心がなくても十分楽しめた。
有名な「クラインの壺」よりもこちらのほうがおもしろい。
王道のミステリーといった感じで、遺伝子の仕組みを思い出し、ちょっとした知識欲も刺激される。
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読書と編み物の記録
2016年本文作成
2016年08月21日 読了
江戸川乱歩賞受賞作。デビュー作。
東北の牧場で、競馬評論家・大友隆一とその牧場長が銃殺される。
大友の妻である香苗は、馬の事は全く分からないが、夫の行動に不信を持ち、友人の芙美子と共に事件を調べ始める。
競馬の事はさっぱりわからないが、関心がなくても十分楽しめた。
有名な「クラインの壺」よりもこちらのほうがおもしろい。
王道のミステリーといった感じで、遺伝子の仕組みを思い出し、ちょっとした知識欲も刺激される。
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2016年08月10日 読了
情報分析員の葉山隆は、ある男の情報を調査を始める。
その男は、ある国の指導者の息子だという噂。そしてその彼が亡命を希望しているという噂。
調査を進め、真実に近づいていくほどに、有望な政治家の人生が削られ、崩されていくことになった。。
情報が何よりの宝となる人たちが、伝説となった人物の残した遺産を探り出す。スパイたちの仕事。
最後は悲しく、暖かく、でもうすら寒い何かにまとわりつかれる。
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2016年08月05日 読了
浮気のあげく子まで作った夫とどうにか縁を切ったおこう。
実家に戻ると兄嫁に身代を根こそぎとられ、もめ事にうんざりしてふと思い出した乳母のところへ向かう。
口入屋をしているという乳母のおとわは病に伏していた。
おこうはその「三春屋」という口入屋に雇ってもらい、おとわの看病をしながら仕事を覚え、やがて2代目となる。
いきなり身を切るような辛い場面から始まる。
行き場がなくたどり着いた「三春屋」だが、そこでおこうは生きる力を取り戻す。
口入屋にやってくる色んな客やご近所さんが個性豊かで、幸せな結末にほっこりする。
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2016年08月04日 読了
年に一度の大イベント、書店大賞授賞式。
成風堂に勤める杏子と多絵は朝から落ち着かなかった。しかしそこへ、書店員・花乃が訪れる。
「書店大賞事務局に届いた不審なFAXの謎を解いてほしい」
すっかり有名になった例の大賞を舞台にした謎解き。
登場人物があちこちに別れて走り回る話なのでせわしなく、本屋の実情などはもう前にも書かれたものばかり。
興味を引くものはなく、ばたばして終わり。
探偵役の多絵も印象が薄い。
注目するべきところがしっかり出てないので全体的にうっすらした印象。
残るところがない。
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2016年08月02日 読了
大戦争であらゆるものが壊れた世界。
元戦闘員の三人が偶然手に入れたオンボロ戦艦「銀鼠号」で海賊稼業を始めた。
はったりの砲台がついた船を動かし、あちこちの海で呑気に漁船や民間の輸送船を襲いながら漂う3人。
個性的なキャラクターが、奇妙な生き物と出会ったり裏切られたりする。
所々興味をそそる出来事が起こるが、「武装島田倉庫」や「水域」に比べるとインパクトが弱い。
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2016年07月31日 読了
「不可能」を解く御殿場倒理と、「不可解」を解く片無氷雨。
それ以外の謎はそろってダメな二人が組み、探偵事務所を構えている。
そこに持ち込まれる謎をめぐる、短編小説。
ただ、きっちり最後まで見届けるということはなく、たいていその場にいる警察官の女刑事の穿地に後始末は任せ、謎を解くだけの二人。
さも周知の事実といった風に出てくる昔話に戸惑うが、二人と穿地、さらに犯罪の知恵を売る美影の4人には、まだ解き明かされていない「密室」があるらしいので、今後に期待。
二人の探偵がいまいち区別しにくいのも難。
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2016年07月29日 読了
クリスマスイブに、一人の少年が死んだ。
自殺と結論づけられたけど、どこからか殺人だという噂が持ち上がる。
さらに、追い打ちをかけるように学校や先生、親が警察官のクラスメイトのところへ告発文が届けられる。
真実を知る前に次々と起こる事件に、疑惑、不審、裏切りといったあらゆる負の感情がおしよせる。
「模倣犯」と同じ、ただ長いだけで何もない。
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2016年07月25日 読了
ベルギーの田舎の教会から突如消えた、一度もホコリを払ったことがないような古くて印象に残らない普通の絵。
その協会の牧師から、絵を取り戻してほしいと依頼される詐欺師。
日本の宗教団体が手に入れた絵は、いつものマネーロンダリングの駒と少し違っていた。
価値もわからず金に飽かせて集める美術品。それを信者たちから吸い上げた金と共に奪い去ろうとする詐欺師。
最後は鮮やかに根こそぎ盗っていくというものなのだが、どうも腑に落ちないところや違和感が多くあり、美術品や地方の歴史の蘊蓄がやたらと長い。
前作を読まないとわからないことがあるためなのかもしれないけど、とてもつまらなかった。
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2016年07月23日 読了
期末試験中の風ヶ丘高校。試験勉強をしようと学校最寄りの風ヶ丘図書館に向かった袴田柚乃は、そこで殺人事件が起こったことを知る。
アドバイザーとして警察に協力しているヘンタイの裏染天馬と、いつものメンバー。
頭がいいけどオタクな裏染が、今回もいい推理といい変態行為を起こしている。
試験と共に進む意味があまりなさそうだと思っていたけど、事件と関係ないところでするりと繋がっていき、意地悪な級友にさりげなく仕返しをしていたりと、細かいところも見逃せない。
他人に興味がなさそうな裏染なのに、大きなショックを受けた女の子にやさしかったり、中学で家出を決意したり、近寄りたくないけど見ていたい希少動物のような人物で面白い。
次作では家出の原因がわかるかな。
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2016年07月21日 読了
父が亡くなり、謝金を返すために家財道具を売り払ってしまうと、残すは父が集めていた根付のみ。ところが、それを売りに行く前日に必ず後ろ足の先だけ白い黒猫の夢を見るというおきみ。
その猫のせいでどこも断られ、最後は皆塵堂にやってきた。
足りない分は身を売ることになるおきみに、皆塵堂の主人・伊平次は一計を案じる。
皆塵堂にまた新たな居候。
今までの居候もあちこちに登場し、賑やかになる。
たくさんの猫が出てきて、それだけで癒されるうえ、個性豊かな登場人物が変わってなくて安心する。
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