圓朝


 近代落語の祖・三遊亭圓朝。
母に反対され、いろんなものを習ってきたが、やはり噺が好きだと噺家になった圓朝だが、あまりの上手さに師から妬まれ、嫌がらせをうけてしまう。
しかし、それならばと自ら作り出した怪談噺や人情噺で人気を博し、大勢の弟子を抱える一門とまで上り詰めるが、その人気の影にはそれ相応の苦悩もあった。

 伝説的な噺家の一代記。
師匠から疎まれてしまうほどの腕だが、その師匠からの仕打ちにどれほど傷ついただろうかと苦しくなる。
それでも好きな噺を辞められず、不思議な経験をしたことから集めだした幽霊話で「夏は怪談」という風習まで根付いてしまう。
弟子に向ける言葉が優しく、噺のことばかりを考え、やがて本にまでなる大成功だが、引退を決意する事件にはこちらも泣きそうになる。
どんなことを考えてきたのかはよく書かれているが、仕事とは離れた人となりの点ではつかみどころがない印象で、夢中で読めるが感情移入はしない。

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