ふと見かけた落語に感動し、侍の株を売ってまで弟子入りしたいと押しかけてきた蔓草に戸惑い迷う圓朝。
そんな折、大川のほとりで、蕎麦屋の娘が絞殺される。
お吉というその娘は、圓朝がよく通う店で愛想よく客をあしらう、人気ものだった。
下手人はわからないまま時がたつが、どうしても気になる圓朝は、個人的に調べようと思い立つ。
師匠に嫉妬され意地悪をされても「悩んで芸の肥やしに」と言っていた圓朝。
その師匠が死んだあとの彼の芸は、悩み多きものだったようだ。
お吉を殺めた犯人を推理し、話を聞きに回っては徒労に終わるという日々の中で、あちこちから聞いた幽霊話や呪い、悋気で身を持ち崩す者たちのことを取り入れて新しい話を作ろうと苦悩する。
圓朝を語るうえで欠かせない「牡丹灯篭」、一度聞いてみたい。
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