幽霊たち


 栄養失調と脱水症で入院中の作家・横江の元へ、刑事が訪ねてきた。
加形野という男が、子供の頃に仲の良かった多治見康祐を殺害し、自首してきたという。
そして、事情は横江へ聞いてくれといったらしい。
加形野に覚えがない横江は、次第に多治見と過ごした40年前の記憶をたどり始める。

 人間関係がややこしく、幽霊まで出てきて、40年前の出来事を振り返り始めるが、いつしか当初の事件のことは忘れ、40年前からの複雑な人間関係に振り回される。
分かりづらいうえに、出来事もおかしなことばかりで納得いかないまま進み、最後は幽霊ばかりの昔語りとなる。
煙に巻かれたような読後感。

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