11月そして12月


 高校も大学も中退し、今はカメラを持って虫を撮り歩いているフリーターの柿郎。
ある日公園で出会った女性に恋をした。
しかし、彼女と親密になる前に家族に巻き起こった不穏要素が、暇なはずの柿郎を忙しくする。
父の不倫に姉の自殺未遂、挙句には「彼女には関わるな」と言いに来る男性まで。
冬のひと時、柿郎に起こった大騒動。

 柿郎の口調が淡々としてどこか長閑なせいで、緊急事態もするりとやり過ごせそうな気がする。
出会った女の子が気になって調べたり家に押しかけたりというのはちょっとやりすぎだが、柿郎なら不思議はないような気になってしまったり、父の身勝手な理論も受け入れて協力させられたり、母にも使い走りをさせられて、それでもそれが自分のやりたいことだったという雰囲気を出す。
やっかいな男だが憎まれはしなさそう。

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