2009年05月31日 読了
新宿の片隅にある酒場、その名も「酒場」。
そこに集う常連と店長の手になぜか転がり込む、100円均一の「とっても不幸な幸運」という名の缶。
その缶をあけると何かが見え、何かが起こる。
缶を開けた人の運命を少しずつ変えていく、短編集。
「しゃばけ」の作者であるがゆえに短編は得意なのだろう。
一つ一つがきれいにまとまり、それぞれの主人公の人生を鮮やかに語りだす。家族のようにそっけなく、信頼し、助けあう人たちの歴史。
ただ、短編であるがゆえに印象は薄く、余韻も少ない。
この人の長編をもっと読みたいな。
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