密室の鎮魂歌


2009年10月12日 読了
 第14回鮎川哲也賞受賞

 社会的地位のある男の失踪、いくつもの密室殺人、そしてある画家の真実を含む絵。

 ミステリとして充分なアイテムが的確に配置されていておもしろい。狂気を孕んだ女の不気味さや、達観した男の眼差しが目に浮かぶ。

 でも、最後の謎解きの場面で起こる乱闘はなにやら違和感。
まるで、ミステリの最後には必ず必要であると思い込んで無理やり入れたよう。むしろ真之介が最後に出てこなかったことのほうがおかしい気がする。

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