2010年08月08日 読了
財政破綻目前の極北市。そこにやってきた医師・今中はあまりの実情にがく然とする。
極北の病院が舞台というので、てっきりジェネラル・速水の話かと思っていたら違った。小さなコミュニティでいつの間にか出来上がった不文律がまかり通る場所で、外からの参入はさぞ居心地が悪いだろう。前半はまさにその居心地の悪さがこれでもかと描きだされ、今中と同様にこちらもげんなりする。
海堂の作品はいつも後半で走り出す。やっと個々の役割が見えてき、読む速度も増す。
今回は白鳥ではなく姫宮が一陣の風となった。
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