犬は知っている


ゴールデンレトリバーのピーボは、警察病院のファシリティドッグだ。
小児病棟に常勤して患者の治療計画にも介入し、入院している子供たちの心を癒している。
だが、彼にはもう一つ大事な仕事があった。
特別病棟に入院する受刑者と接し、彼らから事件の秘密や真犯人の情報などを聞き出すことだ。
死を前にした犯罪者たちが語る本音を、今日もピーボは静かに聞いている。

 手術を怖がる子供に付き添って手術室の前まで行ったりする傍ら、凶悪犯と向き合うピーボ。
他に人間のいない部屋で彼らが語る事件の真実を聞き出す特殊な任務だが、その仕事に矜持を持っているような姿も見せ、なんとも頼もしい。
やがてハンドラーの笠門巡査部長の傷まで癒し、また次の子供たちの元へと行く。
ファシリティドッグという彼らの仕事が本当にあるものだと初めて知った。

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