誰もわたしを愛さない 柚木草平シリーズ


 月刊EYESの新人・小高直海が新しい担当になり、女子高生がラブホテルで殺されたという事件の記事依頼を受けた柚木草平。
行きずりの犯行と思われ、警察もその線で動いているのだが、柚木は事件現場の写真から不審な点をいくつか見出していた。
新担当の小高や、被害者の友人の姉である美人エッセイスト、娘の加奈子や元上司の吉島冴子、またもや女たちに振り回される柚木のシリーズ第6弾。

 一見おとなしく真面目な被害者。しかし隠された銀行口座には大金が預けてあり、どうやら後ろ暗いアルバイトをしていたと気づく柚木。
刑事とは違った視点で人物を観察し、言葉で説明できないような勘や印象を突き詰めていく様子はちゃんと探偵なんだけど、ところどころで女たちに踊らされていると感じている柚木が、それでも毎回口説き文句は言ってしまうので急に信用できなくなる。そんな様子がどんな女にも何度も繰り返されるので、事件の印象が薄くなってしまっていた。
真相がわかっても、後は警察の仕事とばかりに放りだすため、なんだか消化不良で終わる。

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