2017年11月22日 読了
本阿弥光悦からの誘いを断り、俵屋の主人となった伊年。
名を宗達と変え、妻を娶り、店はますます繁盛する。
そんな折、ふらりと現れた公卿の烏丸光広によって、宗達はさらに美の奥地へと引き込まれていく。
宗達の絵の力が益々冴える。手がける絵に衰えはなく、亡くなってからも嫉妬さえもかすれてしまうほどの力を見せる。時々入る時代考察も、教科書にもこんな風に書いてあったらさぞ興味をそそるだろうという書き方で、話の流れを少しも損なわない。俵屋宗達に興味を向かせるには充分な本だった。益々知りたくなった。
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