准教授・高槻彰良の推察3 呪いと祝いの語りごと


 「不幸の手紙」を受け取ったという深町の友人の難波。
なんとなく嫌なことが重なって、気分が沈んでいる難波を、高槻の元へ連れて行った深町は、不幸の手紙にまつわる都市伝説を聞く。
そしてそのすぐ後、「図書館のマリエさん」に呪われたという女子中学生たちに会う。
なんでも、図書館の蔵書に隠された暗号を解かないと呪われるというものらしい。

 図書館にやってきた高槻と深町は、まだあまり知られていない都市伝説に出会うことになる。
呪われたという話だけ聞けば胡散臭いことこの上ないが、それを解く高槻はもう、怪異を求める好き者ではなく、探偵のよう。
しかも最初の「不幸の手紙」にもつながり、妙にすっきりする。
そして休暇で訪れた村では、思いがけなく殺人事件にも出くわしてしまい、スリルも大きい。
閉ざされた村に伝わる不気味な風習や因縁は、民俗学を扱う話には必ず出てくる不気味の代表であり、やっぱりこれもかなり不気味な話だった。