ボーダーライト


 神奈川県内で薬物売買や売春などの少年犯罪が急増し、高尾巡査部長は係長の堀内から原因を探るよう指示される。
ペアの丸木と街へ出て情報を集めていると、犯罪に手を染める若者に共通して最近人気の『スカG』というバンドの噂を聞く。
高根拠はないがどうにも気になると言う高尾は、かつて荒れていた赤岩が薬物の取引現場で捕まったと聞いて話を聞くことにした。

 赤岩の高校にいる目立たない賀茂という生徒は時々オズヌが降りてくるという。
徐福やオズヌと絡めるのが好きなようで、今野敏作品にはたびたび出てくる。
でもどうも、憑依したというよりただ都合の良い時だけ人格が変わり、他力本願で丸く収めているような不自然さがいつもある。
今回は他にも憑依したという女性ボーカリストが登場し、戦うわけでも見逃すわけでもなく、ただすんなり従うだけとなり、修羅場も盛り上がりもなかった。
力の差が大きいということなのだろう。
それにしても乗り換えが早いし、無条件で従うほどの魅力が感じられない。