もしかして ひょっとして


 もうすぐ1歳になる那々美を連れて、電車に乗って実家に戻る電車の中、行き会わせた老婦人とのひと時の話題は、もう一人の七夕生まれの女性の恋バナだった。
男子バスケ部の異変をどうにかしてほしいとあちこちから頼まれた生徒会委員の研介。
ブラックな人材派遣会社に勤める永島に猫を預けていった友人の秘密、叔母に頼まれてこっそり荷物を取りに行ったら死体が待っていたなど、ちょっと変わった雰囲気の短編集。

 スッキリ解決するものばかりではないため、その後のことが気になってしまう。
良い話だったと穏やかな気分でいても、次は全く違った話でがらりと様子が変わっていくため、気持ちが切り替わらない。
それぞれの話は楽しめたけど、続けて読むのはちょっと辛かった。